社交ダンス界で「100年に1人の逸材」と言われ、注目を集める藤井創太さん。端麗な容姿からは想像できない、ダイナミックで情熱的なラテンダンスが持ち味。『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS)や、『THE DANCE DAY』(日本テレビ)への出演がきっかけで、ますます活躍の幅を広げています。
藤井さんがさまざまな試練を乗り越え、社交ダンスを続ける理由とは?社交ダンスの魅力も含めてたっぷり語っていただきました。
社交ダンスを極めるため、ラテンダンス1本に絞った
── 社交ダンスには大きく分けて2種類あるそうですね。
藤井さん:映画『Shall we ダンス?』でおなじみのゆったりと優雅な社交ダンスは、スタンダードと呼ばれるイギリス発祥のダンス。僕が得意とするラテンは、おもに南米発祥の踊りが多いです。激しくて情熱的な動きに惹かれる人も多いはず。
このスタンダードとラテンを競技で踊る場合、10種目踊ることになるので「テンダンサー」と呼ぶのですが、非常に高度な技術を要します。
── ラテンとスタンダードを両立するのは難しいのでしょうか。
藤井さん:ラテンとスタンダード、どちらもやって世界チャンピオンになった人は、ごく稀です。僕も高校2年まではラテンとスタンダードの両方をやっていましたが、ラテンが好きだったこともあり、いまはラテン一本に絞っています。
── 今度観に行きたいのですが、初心者はまずどんなところに注目すればいいですか?
藤井さん:トップ選手が出場している大きな試合だと、「社交ダンスってこんな感じなんだ」ってわかりやすく伝わってくるはずです。たとえば、すごい選手が一人いて、その人が技を決めたら客席が湧く。自分の好きな選手を見つけて推すのが、やっぱり楽しいと思います。
── 確かに、推しの選手を見つけると楽しくなりそうです!
藤井さん:僕が所属しているアマチュア競技会を行う団体「日本ダンススポーツ連盟(JDSF)」は『三笠宮杯』という競技大会を毎年11月に行っています。
社交ダンスは予選から決勝まで、試合数が多くて見ごたえがありますよ。予選では30組を3シートに分けて10組ずつ踊ります。フロアで踊る実技を観て、審査員は点数を入れる。これで次の2次予選に残るペアが決まります。
── 予選から決勝に向けて、どんどんペアが減っていくのですね。
藤井さん:そうです。最終的に決勝に入れた6組までが入賞となります。でも審査員が点数をつけるので、どうしても好みが分かれてしまうんですよね。みんなが一致していいと思うものって、なかなか難しい。
個人的には、社交ダンスはスポーツではなくアートだと思っていて。芸術性が大事だと思っているので、あまり点数化するのは好きじゃないのですが、オリンピックなど大きな舞台が実現するためには、点数競技になるのは避けられないのかもしれません。