自分のポジションについて話してくれた青柳翔さん

日本が生んだ、剛・速・美を競うドリフトレースをテーマにした映画『ALIVEHOON アライブフーン』(公開中)で、ドリフト日本王者の小林総一郎を演じている青柳翔さん。本作では、個人の能力はもちろん、チームワークが勝敗を左右する世界が描かれます。チームで何かをするとき、青柳さんはどのようなポジションを担うタイプなのでしょうか。

人たらしなタイプに憧れる

── 演じた総一郎が元トップレーサーの武藤(陣内孝則)をリスペクトするように、青柳さんがリスペクトするのはどんな人ですか?

 

青柳さん:

具体的に例をあげるなら、尊敬しているのはHIROさんです。

 

年上にも年下にも好かれる姿を見ると、魅力的だと思います。人たらしなタイプにも憧れるし、コミュニケーション能力が高い人を見ると、すごいなって。僕には皆無なので(笑)。

 

── 具体的に“皆無”と感じるのはどんなときですか?

 

青柳さん:

例えば、こういうインタビューのときです(笑)。

 

あと、舞台挨拶のときに、作品の重要なポイントをしっかり宣伝できるようになりたいといつも思っています。

 

舞台挨拶の台本を見て、自分のしゃべるところが少なかったりするとホッとすることもあって。うまくやってくれる人がいるときは、お任せしたいという気持ちになります。基本、他力本願なので(笑)。

とにかく円滑に進めたいという気持ち

── チームワークが本作のテーマのひとつです。他力本願という言葉も出ましたが、チームで何かに挑むとき、青柳さんはどのようなポジションを担うタイプですか?

 

青柳さん:

何も言わずに後ろから全体を見ているタイプです。

 

とにかく円滑に進めたいという気持ちがあるので、必要だと思ったときに中に入っていくようにしています。

 

例えば、作品に携わるときは、自分のやるべきことと作品のことに集中してしまいがち。なので、監督の話を聞いて、監督のやりたいこと、言いたいことを察知しながらそれに応えていくように務めています。

 

── 今年は短編映画の監督も経験されましたが、演じるときと監督のときとではそのスタンスに変化はありますか?

 

青柳さん:

円滑に進めたいという点では同じかもしれません。監督のときは、作品を撮りきること、出演してくださった方、スタッフさんに気持ちよく動いてもらえるようにと、意識していました。新人監督としての参加でしたので。

 

── 映画ではチームワークでバーチャルとリアルの壁をぶち破るさまが描かれます。青柳さんがこれまでにぶつかった、そしてぶち破った大きな壁はありましたか?

 

青柳さん:

作品ごとにこの壁を乗り越えなきゃという気持ちで挑んでいます。

 

ただ、今回は、乗り越える!みたいな気持ちよりも、楽しい現場という思い出のほうが大きいです。普段、なかなか見ることのできないトップレーサーの実走シーンには興奮しました。

 

近くで実走シーンを見たのですが、やはり生の迫力は違います。

 

この映画はさまざまな技術を駆使して、僕と実走担当の横井昌志さんの二人一役を演出しています。ライブと同じく、実走シーンなども生のほうがいいと思うタイプですが、生を凌駕している部分もある。そこがこの映画のすごいところだと感じています。

「作品の魅力は生を凌駕しているところ」と話してくれた青柳翔さん

地元・北海道ドライブでやりたいこと

── 青柳さんは車の運転は好きですか?車にまつわる思い出もお聞かせください。

 

青柳さん:

この業界に入る前ですが、免許を取ってすぐに、地元・北海道の親友とふたりで、3週間くらい行き先を決めずに様々なところを巡ったのを覚えています。

 

3週間あっても北海道って回りきれないくらい広くて。半分くらいしか回れなかったかな。

 

計画を立てて出発したわけではなく、「ちょっと行ってみる?」みたいなノリでした。行き先も決めず、持ち物もほとんどなし、着替えもほぼ持たずに行った気がします。お金もあまりなかったので、食事はカップラーメンだったし(笑)。湖とか、離れた島とかに行きました。

 

── 今、車で行ってみたい場所はありますか?

 

青柳さん:

また北海道に行きたいです。

 

まだ行ったことのない場所もたくさんあるし、北海道で番組をやらせてもらっていて、食べ物がおいしい場所もいくつか知っているので、そういった場所を巡りたいです。

 

天気の良い日に、素敵な景色も見たいです。すごく綺麗な場所なのに、くもりだとテレビや雑誌で見るような感動する景色に出会えないことって、けっこうあるじゃないですか。「あれ、想像していたのと違うぞ」って(笑)。できれば、天気のいい日に最高の景色を堪能したいです。

 

<作品情報>
映画『ALIVEHOON アライブフーン』
公開中
配給:イオンエンターテイメント 
©︎2022「アライブフーン」製作委員会

取材・文/タナカシノブ