捨てている皮や軸にこそ栄養が…「もったいない!!」
── 野菜をムダなく使いたいのですが、どんな工夫ができますか。
テツさん:
よくスーパーの売り場でキャベツの外葉を捨てるゴミ箱が設置されているところを見かけます。「外葉は食べないほうがいいよね?」と質問されることもありますが、私はそうは思いません。
キャベツ畑の画像を見てもらうと分かると思いますが、外葉は現地でかなり捨てられているんです。農薬のことを考慮しているのかもしれませんが、相当な量を農家さんが廃棄しています。
つまり、売られているキャベツはもうすでに外葉がある程度取られた状態なので、あえてむく必要はないのでは…と思います。
ただ、私もすべての農家を見ているわけではないので、はっきりと「捨てなくてもよい」と断言することはできません。もし気になるようでしたら、スーパーによってはどの農園から仕入れている野菜なのか明示している場合もありますので、農園のホームページなどをチェックしてみてもいいと思います。
── キャベツの葉っぱ以外にも捨てるのはもったいないと感じている部分はありますか?
テツさん:
たくさんあります。ニラの茎や大根の葉っぱ、シイタケの軸、レンコンの皮、長ネギの青い部分、ブロッコリーの芯、ピーマンのわたと種も、ぜひ捨てずに食べてもらいたいです。
── ピーマンのわたと種も食べられるんですね。
テツさん:
普通に食べられますよ。きっと食べても気にならないと思います。一緒に炒めてもいいですし、ピーマンの肉詰めで肉にわたと種を混ぜてもいいです。
レンコンの皮もそうですが、わざわざ捨てている部分に、栄養がたくさん含まれていることって意外と多いんです。もったいないですね。
── 子どもの野菜嫌いに悩む親は多いです。好き嫌いをなくすコツがあれば教えてください。
テツさん:
ピーマンは嫌われ者のようですが、切り方にコツがあります。繊維に対して縦に切ることで苦味成分が出にくくなります。それでも無理でしたら、あえて横に切って、水に浸して苦味成分を出やすくする方法があります。切ったピーマンを水がにごらなくなるまで洗って、10分間水に浸しておくだけです。
これからのシーズンはゴーヤが出回りますが、ゴーヤの苦味消しは野菜のプロでもなかなか難しいです(笑)。だからこそ、選ぶときにひと工夫が必要です。いぼが大きいものほど苦味が少ないので、試してみてください。
夏野菜のトマトも苦手な人が多いです。ゼリー状の部分が苦手とするようなので、ミネストローネなどのスープにするといいです。あとは甘いトマトを選ぶことです。最近はフルーツトマトの種類も豊富ですよ。
取材・文/大楽眞衣子