見落としがちな細菌、カビのすみかは「冷蔵庫の野菜室」
── キッチンのこんなところにじつは細菌やカビが増えやすい、という場所はありますか?
藤原さん:
冷蔵庫の野菜室です。野菜室は設定温度が高めなうえ、通常、野菜は土に生えているものなので、目に見えないけれど膨大な数の細菌やカビ胞子が存在してしまうからです。
人によってはピンとこないかもしれませんが、「いつの間にかキュウリがビニール袋のなかで水のようになってしまった」とか、「存在を忘れていたオレンジにカビが生えていた」なんて経験はありませんか?もし思い当たるなら、そこにはカビの胞子が飛んでいたということです。
しかも冷蔵庫は内気循環なので、野菜室でカビが発生するとその胞子が広がって冷蔵庫全体に影響が出てしまうことも。ですから、野菜室はしっかり除菌をしたいところです。
野菜室は引き出しごと外せるので、外して食器用洗剤とスポンジで洗い、しっかり乾かすのがベストなお手入れ方法。外せないパーツは水拭きすると細菌が増えてしまうので、消毒用エタノールを吹きつけて、紙のダスターで拭き取りましょう。
消毒用エタノールによるプラスチックの変性が心配な方は、アルコール不使用の除菌剤も売られているので探してみてください。
── 冷蔵庫のなかは低温なので、細菌が増えるイメージがなかったので盲点でした。野菜室のほかにも気をつけたほうがいい場所はありますか?
藤原さん:
自動製氷機もカビが発生しやすい場所です。野菜室と同じように、週に一度は食器用洗剤とスポンジで洗って、しっかり乾かしてください。
また、美味しい氷をつくろうと思って、ミネラルウォーターや湯冷ましを使っている人は要注意。じつはこれは、製氷機にカビを増殖させてしまう原因に。製氷機にはカルキ入りの水道水のほうが向いていて、タンク内の水の劣化を防いでくれるんです。
藤原さん:
野菜室、製氷機の次に細菌やカビが増殖しやすいのは、魚や肉を入れる引き出しやチルドルームです。購入した肉や魚のラップの隙間からドリップの水が漏れていることがあるので、定期的に消毒用エタノールで拭いて消毒するといいですね。
これからの時季は、冷蔵庫ポケットの麦茶ボトルを置く位置も細菌やカビが生まれやすい場所。ボトルの外側が結露したまま戻すこともあるので、水滴で濡れて汚れやすくなるのです。