特殊な状況下での子育ても「楽しむ」

──CHANTO WEB読者の働く女性からは、コロナ禍での子どもたちへの影響もよく聞かれます。学校行事が全て中止になる、友達と自由に遊びにくい、急に環境が変わったことで不登校になったとの話も聞かれます。

 

白河さん:

教育もこれまでとは大きく変わりましたね。2020年はリモートで受けられる教育に注目が集まりました。塾や習い事などは次々オンライン対応を強化しています。大半の学校はオンラインに対応できていないことが浮き彫りになりましたが、角川ドワンゴ学園のネットの高校「N高・S高」のように、すべての学習や行事をオンラインで行う学校が注目されました。

 

子育ては家族構成や考え方の違いもあるので難しいところですよね…。子どもは家族以外の人との関わりが多いほどいいと言われます。屋外バーベキューやキャンプなど、密にならない場所でのレジャーに行く親子連れもよく見られました。またリアルに集まらなくてもできる「オンライン文化祭」「オンラインホームルーム」も一つのアイデアでしょう。

 

─親としては試験が延期になったりリアルな交流が希薄になってしまうことなど、悩みが尽きません。特殊な状況下の中で、子育てとどう向き合っていけばいいでしょうか?

 

白河さん:

「子どもがかわいそう」という意見もありますが、「リアルに集まらなくては何かできない」というのは親世代の考え方だとも感じます。確かに理科の実験などリアルの場でしかできないものも一部ありますが、デジタルネイティブ世代はオンラインへの適応がはるかに早いです。

 

子ども食堂では、夏の思い出づくりにやっていた縁日を、クレープ車を1台借し切った屋外イベントに変更して大変喜ばれたそうです。卒業式などの記念式典がオンラインで開催されたところもありますが、かわいそうという目で見ないで貴重な経験をしたと親子で前向きに考える方が未来志向ですよね。

 

大切なのは、緊急事態が起きたときどうやって切り替えられるかです。若い人たちの方が良いアイデアをたくさん持っているので、大人は彼らが自由に能力を発揮する環境を提供していくことが大事だと思います。

 

 

家族で過ごす時間が増えてうれしい反面、新しい悩みが生まれているのも事実。白河さんには、この環境を楽しむためのヒントをたくさん伺いました。私たちは変化を恐れるのではなく、今こそ違った価値に目を向けるタイミングなのかもしれません。

 

取材・文/秋元沙織