◼️「制度」を使いやすくして〝多様な働き方〟を実現する

 

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永井裕美子さん株式会社LiB副社長1981年、富士ゼロックスに営業として入社。企業派遣でコーネル大学産業労働関係学修士課程を修了後、人材育成、人事企画に従事。2001年、外資系企業に転職し、GEキャピタルリーシング、エルメスジャポン、アボットなどで人事執行役員やリージョナルHRディレクターを歴任。グローバル事業を人事組織面で牽引するとともに女性マネジャーの育成や障がい者雇用にも尽力してきた。2014年に非営利セクターに転じ、企業のCSR活動を推進。2019年株式会社LiB副社長就任。NPOのアドバイザーとして活動するとともに、キャリアに関する講義、営利・非営利分野の女性リーダーのメンタリングなども積極的に行っている。

 

働く女性のライフキャリア支援事業を運営する株式会社LiB。女性のライフステージに合わせた働き方をサポートする転職サイト「LiBzCAREER」では、業種や職種のほかに、育児サポートや働き方など、女性ならではの条件で求人を探すことができます。 社員の男女比は4:6と女性の方が多く、子どもを持つ女性社員は44%。女性の貢献度が高い会社ならではの制度が充実しています。働き方の形態は男女問わず、正社員、契約社員、業務委託などが選択でき、正社員では「週4日勤務」「時短勤務」の選択も可能。 また「リモート」と「フレックス」の制度が確立しており、家庭の事情や家族の状況によって活用することができます。

「夫が単身赴任のため週4日勤務のママ社員や、家族の介護のため週5日のフルリモートをしている男性社員も。家庭と仕事の両立をサポートするために、多様な働き方を推進しています」永井さん)

 

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ただ「制度」は作るだけではなかなか活用はされません。実際に使ってもらうには、「社員が使いやすくする工夫」が必要なのです。

「例えば、子どもが37.5度の熱を出すと保育園では預かってくれないのが一般的。そんなときは『37.5リモート発令』とだけ勤怠システムに連絡すれば、自宅でのリモート勤務OK。周囲の理解も浸透しているので、あれこれと状況説明する必要がなく利用しやすいんです」(永井さん)

「家族と一緒に時間を過ごすこと」をサポートするには、会社の応援姿勢を見せること。社員が働きやすい環境を作るには、周囲の理解獲得も含め、社員全員が当事者目線になることが大切だと感じました。

 

 

 

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▲トークセッションでは、キャリアの歩みのお話や質疑応答が。

仕事と家庭の両立は、働く女性にとって「人生の一大テーマ」だと言えます。多様な働き方が徐々に認められるようになってきたいま、女性の働き方とキャリアについて考える、大きなヒントをいただきました。

 

文/編集部