「叱らない子育て」という言葉をよく耳にしますが、これは「叱る」ことに頼らずに子どもを正しい方向に導く、というしつけの考え方のこと。「悪いことをしても叱らない」という意味ではなく、正しい道を「褒めながら教え諭す」ことなんです。ところがなかにはこの呼び名だけを誤解して、「子どもがなにをしても叱らないママ」もいるのだそう…3人のママから話を聞きました。
■そこに置くほうが悪い(奈都美さん/33歳/パート)
子どもをまったく叱らないママ友がいます。彼女の息子はうちと同じく5歳。ファミレスで走り回っても「うるさいよ~」というだけで、まったく叱ろうとしません。 それどころか、子どもが疲れて席に戻ってくると「元気だね~」なんて褒める始末。一緒にいる私まで周りから白い目で見られ、食事も喉を通りませんでした。 ところが先日、さらにとんでもないことがあったんです。そのママ友と親子と買い物に行ったときのこと。彼女の息子がふざけてぶつかり、ガラス製品を床に落として割ってしまったんです…しかもたくさん。 子どもを叱り、お店に謝罪をする…と思いきや、彼女は違ったんです。叱るどころか「ケガはない?! かわいそうにビックリしたでしょ」と笑顔で言ったあと、驚く私にこう言いました。「壊れる物だからしかたないわよね。子どもの手の届くところに商品を置くのが悪いのよ」 結局、お店に謝罪も弁償もすることなく、子どもの頭をなでながら帰っていきました。その感覚に驚いてしまって、これ以上のおつき合いは控えようと心に誓いました。