時間がないときや食欲がないときに、手軽に食べられるのがお茶漬けです。ご飯に好みの具材を乗せ、お茶やだしをかけるだけの簡単メニューで、夜食の定番でもありますよね。市販のお茶漬けの素でもおいしいですが、ちょっとしたひと手間を加えることで、本格的なお茶漬けを楽しむことができます。そこで今回はお茶漬けの豆知識や、おいしく食べるためのポイントをご紹介します。
■お茶漬けの豆知識
お茶漬けの始まりについては諸説ありますが、煎茶や番茶が庶民の間で親しまれるようになった江戸時代中期以降が起源といわれています。 お湯をかけて食べるご飯のことを湯漬けといいますが、煎茶のほうがうま味成分が含まれているため、よりおいしいと人気がありました。しかし、江戸の庶民は値段の安い番茶を使ってお茶漬けを食べることが多かったようです。 江戸時代の庶民の食事はとても質素で、お茶漬けに漬物だけという食事がほとんどでした。現在のお茶漬けに漬物がセットになっているのは、当時の名残とされています。 当然江戸時代にはご飯を保温できる電子炊飯ジャーなどもありませんでしたので、朝お米を炊いて温かいご飯を食べ、夜は冷えたご飯に温かいお茶をかけてお茶漬けにするのが一般的だったようです。 お茶をかけるだけでなく、ご飯に具材を乗せて食べる方法が広がり、梅やサケ、のりやつくだ煮などを乗せて楽しむようになったことが、現在のお茶漬けのスタイルにつながっています。 昭和に入ってからインスタントのお茶漬けの素が販売されるようになり、大ヒット商品となりました。
色は煎茶のようですが、だしの味がきいていて、サケや梅、たらこなどのフリーズドライが入っているので、おかずを用意する必要もありません。 また、あられやのりも最初から入っているので、お茶漬けの素があれば本格的なお茶漬けを楽しめるようになりました。 現代では高級志向のお茶漬けの素や、中華風、和風のお茶漬けの素まで登場するほど、バラエティーに富んだ商品になっています。 お茶漬けと似たような存在に雑炊があります。お茶漬けはご飯にお茶やだしをかけるだけですが、雑炊はご飯をだしやお湯で煮込むといった違いがあります。 お茶漬けはサラサラとご飯を食べられますが、雑炊は煮込むことでご飯の粘りが出るため、少しとろみがかっているのが特徴です。 ちなみに京都ではお茶漬けのことをぶぶ漬けといいますが、来客に早く帰ってほしいときにすすめられるメニューとして有名です。