ねこまんまとはその名のとおり、ねこのご飯という意味で使われる言葉で、ご飯に具材を混ぜた食事のことをいいます。地域によっては犬飯と呼ぶこともありますが、同じ意味を指します。
食事をする時間がないときやおかずが何もないとき、ねこまんまでお腹を満たす人も多いですよね。味付けもしっかりとしているので満足度も高く、さっとご飯が食べられるので、忙しいときに便利な時短飯ともいえます。ねこまんまといえば質素な食事のイメージが強いですが、混ぜ合わせる素材によっては豪華なご一品に変身します。今回はねこまんまの食べ方やレシピについて、ご紹介します。
■そもそも「ねこまんま」とは?
昔はみそ汁を作るときに煮干しやかつお節を使用して、だしからきちんととっていたので、その出し殻とご飯に汁を少し混ぜ合わせて、猫や犬に餌として与えていました。そこから混ぜたご飯のことを、ねこまんまや犬飯と呼ぶようになったそうです。 ペットフードが普及していなかったことから、どの家も家族の残り物を与えるのが一般的でした。 そんなねこまんまの起源は古く、戦国時代の北条氏政が汁物とご飯を合わせた料理が好物だったことから、戦国時代にはすでに存在していたものと思われます。 江戸時代にはお茶漬けの習慣が生まれましたが、時代が進むにつれ、ねこまんまは品がないとみなされるようになり、現在でもその名残があるようです。 現代でもねこまんまといえば、残り物や行儀の悪い食べ方と捉えられることが多いため、下品と思う人もいるのではないでしょうか。 しかし、懐石料理の正式な作法では、食後にご飯の器へお湯を入れ、香の物でゆすぎながら器をきれいにして食べることを考えれば、ねこまんまを一概に下品とはいいきれないかもしれません。
■関東と関西ではレシピが違う「ねこまんま」
ねこまんまのレシピは全国共通のように思えますが、実は関東と関西では混ぜ合わせる具材の内容が異なります。 関東ではご飯にかつお節を混ぜたものをねこまんまと呼びますが、関西ではご飯にみそ汁などの汁物をかけたものをねこまんまと呼びます。 関西風のねこまんまは関東では汁かけご飯と呼ぶため、ねこまんまはまったく違うイメージがありますが、関西はその逆で、かつお節を混ぜたものはおかかご飯と思われています。 ねこまんまは残り物を混ぜ合わせるイメージがありますが、関西ではご飯に汁物をかけたもの全般をねこまんまと呼ぶため、関西でねこまんまが食べたいというと、単純に汁かけご飯のことを指しています。 自分の親が関西出身か関東出身かで、ねこまんまの定義も変わってくるため、関西在住でもおかかご飯のことをねこまんまと思っている人もいますし、関東でも汁かけご飯をねこまんまと思っている人もいます。 正式なねこまんまはこれ!といった決まりはありませんが、起源で考えた場合、汁かけご飯のほうが歴史が古いようです。