■海外の名作絵本
「3びきのくま」は有名なイギリス民話をもとに作られたお話です。「戦争と平和」で知られるロシアの文豪トルストイが書いたことでも有名です。
物語はゴルディロックスという小さな女の子が森の中で3匹のくまの家族がすむ家を見つけるところから始まります。
ゴルディロックスは物おじせずにくまの家に入ります。そしてくまの食事のおかゆを味見したり、 ベッドで寝入ってしまったりとやりたい放題をします。
ゴルディロックスはおかゆを味見するときもベッドに入るときもくまのお父さんとお母さん、それから子供のものをくまなく試すのですが、同じ子供だからかこぐまのものがお気に入り。
おかゆを食べられ、ベッドを取られてしまったこぐまは泣きだしてしまいます。
くまたちはゴルディロックスを叱りますが、ゴルディロックスが走り去るところは痛快です。子供の好奇心や悪びれないところをよく表現しているのではないでしょうか。
3びきのくまについて、現在ではさまざまな作家が手掛けた絵本が流通しています。絵のタッチが個性的なものもありますので、表紙を見て子供が好きそうなものを選んでみると良いのではないでしょうか。
「おおきなかぶ」はロシア民話です。おじいさんが植えたかぶが巨大な大きさに成長し、おじいさん一人の手では引き抜けないのでおばあさんや孫、犬、猫、ネズミなどとともに頑張って引き抜こうとする童話です。
おおきなかぶの作者は3びきのくまと同じ事情でトルストイとなっています。現在流通している絵本でよく見られるのは佐藤忠良という彫刻家が写実的なイラストを入れたもので、定番になっています。 シベリア抑留を経験したことのある作者が絵を描いているのでロシアの雰囲気がよく出ていると評価されています。
かぶを引き抜く際のうんとこしょ、どっこいしょという掛け声は小気味よく子供の耳に残るフレーズです。有名な絵本なので保育所や幼稚園で読まれることも多いでしょうけれど、子供が喜ぶなら家でも読んであげたいですね。
■ 名作絵本を読むメリット
ご紹介した中に自分が読んだことのある絵本があったという人もいるのではないでしょうか?
小さい頃に読んだ絵本は意外と心に残っているものです。大人の絵本ブームが来たのにはいくつか理由があると思います。例えば凝った仕組みの仕掛け絵本は高級なメッセージカードのような趣で、大人の鑑賞にも耐えます。
また絵本は文章がわかりやすいのが特徴です。大人向けの絵本だとシンプルな文章で読む人の心を揺さぶってくれたりしますよね。
このように絵本に対して前向きな思い出のある大人は子供にも素敵な絵本を読んであげられるのではないでしょうか。
はやり廃りのある小説などと比べると、絵本は世代を超えて読み継がれやすいです。有名な画家が絵本を描いていることもあり、情操教育にもなる優れたメディアでもあります。
子供が必ずしも親と同じ好みとは限りませんが、親子で思い出深い絵本を読んでみてもいいかもしれませんね。