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幼い頃に親に読んでもらった絵本が未だに心に残っているという大人は少なくないのでしょうか。 今大人の絵本ブームが来ています。絵本と接する機会が増えた今だからこそ、子供にも素敵な絵本を読んであげたいですよね。


心に染みる秀逸な絵本をピックアップしました。

■ごんぎつね・てぶくろをかいに

「ごんぎつね」は新美南吉の童話です。きつねのごんがある日、若者が病気の母親のためにとったウナギをいたずらでとってしまったことから物語が始まります。


ごんは若者が病気の母親のためにウナギをつかまえていたことを知り、深く反省します。罪滅ぼしのために若者へ山野で採れた食べ物をこっそり渡すようになりますが、ウナギ泥棒だと思われているごんはついに若者から鉄砲で撃たれて命を落としてしまいます。


若者はごんが食べ物をもってきていたのに気づき、 読者を何ともいえない気持ちにさせるのです。


ごんぎつねについて、さまざまな作家が絵を描いています。黒井健という絵本作家が手がけたごんぎつねの絵本は柔らかなタッチで描かれていて、切ない物語を格調高く再現しています。


子供の心に残るのは考えさせられるような話だったりします。実際にペットを飼って死なせてしまった時の悲しみは大きいものですが、それでも生きていく上では愛する者との別れは避けられません。


ごんぎつねを読んだ子供は死別の悲しみと 悪いことをしてしまったときの気持ち、罪を滅ぼそうとするけなげな心を知るのではないでしょうか?教科書にも取り上げられることの多い名作童話ですが、絵本なら小さい子供でも読みやすいですね。


「手ぶくろを買いに」も、新美南吉の童話です。今度はこぎつねが主人公で、 寒い冬が来たときに母ぎつねがこぎつねに毛糸の手袋を買ってやろうと思います。


しかし母ぎつねには 人間の街で怖い思いをした経験があり、足が進まないのでこぎつねをおつかいにやることにしました。


手ぶくろを買うためのお金を渡し、こぎつねの片手を人間の子供の手に化けさせます。帽子屋では人間の手を出し、きつねと悟られないように言い聞かせるのですが、こぎつねは店の明かりがまぶしくて思わずきつねの手を店の主人に差し出してしまうのです。


子供にこの話を読み聞かせると、子供だけではなく親もハラハラしてしまうのではないでしょうか?


ごんぎつねと同様に黒井鍵が幻想的な絵を描いているものもありますので、 別の心温まるきつねの話として2冊読んであげてもいいかもしれません。