近年、増えている食物アレルギー。中でも赤ちゃんにとって、与えないほうがよいとされている 食べ物も少なくありません。
食物アレルギーなどを防ぐために、一般的に赤ちゃんに与えるのは控えた方がよいと言われている食べ物を見てみましょう。
■1歳未満の赤ちゃんにハチミツを与えないよう注意
1歳未満の赤ちゃんに与えていけない食品として知られているのはハチミツです。ハチミツといえば健康によいというイメージがあり、甘いので、子どもも大好きですよね。
では、なぜ与えてはいけないのかというと、ハチミツは生ものだからです。ハチミツに入っているボツリヌス菌が赤ちゃんの体の中に入るとボツリヌス症という病気になる可能性があるとのことです。
ボツリヌス症を発症すると、最悪のケースでは死に至ります。ボツリヌス菌は簡単には死滅せず、120℃で4分間加熱するか、もしくは100℃で6時間熱しなければ死滅しません。
離乳食の隠し味にと、少しの量を混ぜ込み、鍋で加熱するくらいでは生存していますので要注意です。
ハチミツに含まれるボツリヌス菌の危険性については1987年頃から国が「1歳未満の赤ちゃんにはハチミツを与えないように」との注意喚起を始めました。しかし、親世代や祖父母などが、そのことを知らない場合もありますので、赤ちゃんをみてもらうときなどは、与えないよう注意することが必要です。 また、ハチミツは自然派志向のドリンクやアイスクリームのトッピングとしても用いられていることがありますので、その場合も成分表をチェックするようにしましょう。
意外なところでは黒糖や黒砂糖にもボツリヌス菌が潜んでいる可能性があります。白砂糖よりもヘルシーで栄養価が高そうな食品ですが、ハチミツと同じ理由で赤ちゃんに与えないようにしましょう。
このほか、赤ちゃんの主食である粉ミルクも、溶かしたあと、2時間以上常温で放置したものはサカザキ菌という細菌が増えてしまっている可能性があります。殺菌消毒した哺乳瓶で作ったミルクでも放置すれば菌が繁殖するので要注意です。
生卵にはサルモネラ菌が含まれていますので、赤ちゃんに生卵を食べさせてはいけません。
■アレルギーを起こしやすい食品
アレルギーを起こしやすい食品として、卵、小麦、カニ、落花生、エビ、そば、牛乳があります。これらの食品を離乳食に使うときは十分に気をつけましょう。 健康のために青魚を離乳食にも取り入れたいと思っている人は多いと思いますが、青魚はアレルギーが出やすいと言われています。さらに傷みやすいという性質があるので、食中毒が心配です。1歳過ぎてからにしたほうが無難と言えます。 魚を与える順番としては、離乳食初期に白身魚、中期に赤身魚、後期~完了期に青魚として、順番に慣らしていきます。赤ちゃんに青魚を与えるなら新鮮なもの用いて、十分に加熱してからあげましょう。
ちなみに青魚はイワシやサンマ、サバなどの背中が青い魚のことを指します。マグロは背中が青いですが、赤身魚になります。 赤ちゃんに初めての食材を離乳食として与える際は1種類だけ与えるようにします。もし複数の食材を使った離乳食で赤ちゃんがアレルギーを起こした場合、どの食品が原因だったのかわからなくなる可能性があるからです。 日曜日や夜に初めての食材を与えて赤ちゃんがアレルギーを起こしてしまったら、医療機関で診察してもらうことが難しくなることが予想されます。 赤ちゃんに初めての食材を与えるならアレルギーが出てしまった場合のことも考えて、小児科が開いている午前中に与えるようにしましょう。近くの病院の診療時間も確認しておくと安心です。
このように、アレルギーを起こしやすい食品を与える際は特に気を配りましょう。
なお、旅先で赤ちゃんに生まれて初めての食材を食べさせないようにしてください。もし実家の祖父母が赤ちゃんに初めて食べる食材をすすめてくるようなら、アレルギーを引き起こすことのリスクを説明して、協力してもらいましょう。