2016年、「保育園落ちた日本死ね!!!」という働く親の痛烈な叫びからクローズアップされ、いまだ続く待機児童問題。 ことし10月からの幼児教育・保育の無償化も話題になっていますが、待機児童問題は解決しないまま。保育園の内定・保留通知が届く2月には、SNSでお母さんたちの悲痛な声が飛び交いました。 待機児童問題って今、どうなってるの?ましになってるの?少子化なのにどうしてなくならないの? 2歳から10歳の3人の女の子を育てながら、日本を子育てしやすい国に変身させようと待機児童など子育てを取り巻く課題に取り組む「みらい子育て全国ネットワーク」(みらこ)の代表を務める天野妙さんに話を聞いてきました!

  

「隠れ待機児童」はむしろ増加 


みらこの前身は、2017年に立ち上げた「希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会」。「#保育園に入りたい」をTwitterで発信したり、署名活動をしたり、選挙で子育て政策について候補に訪ねて発信したりと精力的に活動されてきました。

まずは、活動を始めたきっかけを教えてください。

 

天野さん

私自身、今年11歳になる長女が0歳の時に認可園に入れず待機児童になりました。ただその時は、「少子化なのになんで?変だよね?」と思ったけれど、なんとか認可外の施設に預けて乗り切り、こうした活動を始めることもなかったんです。 きっかけは、三女を妊娠中の2016年、友人に誘われて「認可保育園を増やしてほしい」と武蔵野市に陳情を行ったことです。議会では満場一致で採択されて建設計画が発表されたものの、近隣住民の反対などで計画が遅延し、後に事業者が撤退。思うように整備は進みませんでした。 仕事で女性の活躍を推進する企業のコンサルティングを行っていたこともあり、「どうしたら普通に子育てしながら働き続けられる社会になるのだろうか?社会全体で子供たちを育てていく風土をつくりたい」と考えるようになり、仲間と2017年に会を立ち上げました。

 

いまだに保育園に落ちたという悲痛な声も聞こえますが、待機児童問題は少しずつでも改善しているんでしょうか?今後はどうなっていくのでしょうか。

 

天野さん

今後も国が「待機児童」と定義している数は減っていくとは思います。ただ地域差があり、東京では減少していますが、埼玉や神奈川は増加傾向にあり、札幌市や岡山市などの三大都市圏以外の待機児童も目立ってきています。 さらに、「隠れ待機児童」の数は増えているという実態があります。隠れ待機児童とは、認可保育所に申し込んで入れなかったものの、待機児童数に含まれていない子供たちのこと。

 

  1. 地方単独事業利用者(※東京都の認証保育園など)
  2. 育児休業中
  3. 特定の保育園などを希望している
  4. 求職活動を休止している

 

以上4つの場合も待機児童にカウントされておらず、非常に疑問です。 認可外でも入れている1.は除くとしても、ほか3つに属する児童は2018年4月の時点で全国に53,000人以上いて、年々増えています。 国は2020年度末の時点で「待機児童ゼロ」を目指すとしていますが、隠れ待機児童がどのように扱われているか、しっかりと注目していかなければいけないと考えています。