■共有名義によるデメリット
共有名義にするとメリットがあります。そのメリットを活かせるのであれば、多くの方は可能な限り共有名義にするでしょう。 ですが、共有名義にしない人もいるのにはそれなりの理由があります。それは共有名義によるデメリットもあるからです。
共有名義によるデメリットとしては、その土地や建物の不動産の売却が難しくなってしまうという点になります。 というのも共有名義の場合、名義者全員の同意が必要になります。単純に引っ越しするといった理由であればよいのですが、夫婦での名義としていた場合、離婚となった場合の財産分与の関係があるからです。売却しようとしてもどちらかが拒否をすると売却はできません。
また、残った住宅ローンの支払いについてももめることになりますし、離婚となった場合に共有名義にしておくと少しややこしくなってしまうのです。 もちろん、離婚を前提として住宅を購入することはないでしょうし、住宅の購入を考えているときには離婚することなど全く眼中にはありません。ですが、こういったリスクもあるということは考えておいたほうがよいのです。 また、共有名義の名義人のいずれかが亡くなった場合、相続の対象となります。相続の対象が共有名義の名義人だけであれば問題はないのですが、他に相続者がいる場合、いくら自分に名義があるといっても、遺産分割の対象となってしまうと住めなくなることも考えられるのです。 このように共有名義のデメリットはもしもの場合ということになりますが、大きなものです。ですから、共有名義にする際には慎重に考えなければなりません。
■まとめ
名義を個人にするか共同にするかは個人の考え方次第です。一番のメリットは、税制上の控除や優遇などを二重に受けられるという点ですが、反対にデメリットもあることを十分に理解し、その場だけでなく後々のことまで考えてしっかりと相談して決めましょう。