自慢ばかりするママ友への対策


「自慢するのをやめさせる方法」はない!

いつも自慢話をしてくる相手には、はっきり伝えてやめてほしいところですが、現実にはなかなか難しいもの。 本人がやめようと思わない限り、注意しても受け入れられることはまれ。不当に非難されたとか、ねたんで文句をつけてきたと取られることがほとんどでしょう。 もちろん身内や親友ならケンカ覚悟で伝えることも必要ですが、ママ友であれば、本人の問題と割り切って、回避する方法を考えるのがベターといえそうです。

 

ママたちが実際にやっていた対策をいくつか紹介します。

 

「この人に自慢してもつまらない」と認定される

「ニコニコして、へぇ~、そうなんだ~、しか言いません。細部に反応するとえんえん続くので。つまらなくなって、次のターゲットを探しに行ってくれますよ」(Hさん・37歳・9歳児と5歳児のママ) 「いちおう聞いているフリはしますが、途中で子どもが泥んこに足をつっこみそうとか、急ぎのLINEが届いたふりをしてごめんね~と毎回離れます」(Fさん・29歳・2歳児のママ)

 

正面から正攻法

「小学校の役員、たまたまくじで一緒にやることになったママ友は、〇〇式とかいう育児法を実践していて、いかにすばらしいか毎回話してきます。でもお子さんは、それなりにというか、むしろ他の子より問題行動が多いんですよね…。うちにも強引にすすめてくるようになったので、ある時、笑顔でサクッと”私は興味ないや〜”と言っちゃいました」

 

ひたすらリピート&話題チェンジ

「子どもが仲いいので、縁を切るわけにもいかないし、自慢話が多すぎる以外はいいところもあるママなんですよね。最近は、この自慢3回目だな…と思ったら、大声でリピートし、さっと話題を変える作戦でまあまあ回避してます。たとえば、”初めて行った美容室で5歳も若く見られたのよね~”なら、”ほんと、5歳若く見えるよね!ところで来週の参観行く?”という感じ」(Nさん・38歳・10歳児のママ)

 

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自慢されたと感じているのは自分だけかも

ママ友の自慢話がイヤだと思っている人も、少し見方を変えて、それって本当に自慢なのかも見直してみるといいかもしれません。

 

たとえば、次のような場合。

 

  • 子どもや夫の愚痴をつい言いすぎ、フォローのつもりでいいところをたくさん並べた
  • ランチなどの場でそれぞれ家庭の話をし始めて、みんなは不満や愚痴を話している。自分も何か発言しようと思ったが不満も愚痴もなくいい話ばかりだった など

 

上手くいっている人をうらやましいと思うのは人間の自然な感情でもあり、それを喜べないのは心が狭いとまでは言えませんが、純粋ないい話を「自慢」ととらえるのは、自分の側に何らかのコンプレックスがあるのかもしれません。フラットに聞けるようになりたいですね。

 

自分も無意識に自慢しているかも

反対に、自分では世間話、なんなら愚痴や悩みだと思っていることが、相手によっては自慢に聞こえることもあります。

 

「今月やりくりがピンチで、たかだか2000円のワインを買おうかやめようかすごく迷っちゃって…」と話した場合、自分はまったく自慢しているつもりがなくても、相手によっては「それ、自慢?」と感じる人も、「わかる~!」という人もいるはず。

 

「うちはお金がないから、子どもの大学は国公立に行ってほしい」と話せば、子どもの成績自慢と取る人もいるかもしれません。

 

そこまで考えると何も話せなくなってしまいそうですが、少なくとも、同じ話でも受け取る人によって正反対になるということは心に留めておきたいですね。

 

自分にも「いい人でいたい」願望があるかも

恋愛、職場、嫁姑関係など全ての人間関係において言えることですが、「いい人」でいるのと引き替えに困った状況から抜け出せないでいる時があります。 傷つけたくない、悪者になりたくない。でも、自慢話は聞きたくない。

 

ママ友付き合いは子どもがからむので、相手の気分を害する事態は特に避けたいものですが、ランチの誘いやLINEに付き合うのがつらくなってきたら、いい顔をしてストレスいっぱいになるくらいなら、少し失礼な人と思われても、誘いを断ったり返信を減らすことも必要かもしれません。

 

やってはいけないNG対応

あの人はいつも自慢ばかり…と思う時も、陰でみんなで批判するのはおすすめしません。SNSでの批判も、匿名にしていても本人に伝わってしまった例はたくさんあります。 どうしても愚痴が言いたい時は、昔からの友人や身内に聞いてもらいましょう。とはいえ、子ども連れの時は控え、相手のためにもほどほどに切り上げたいですね。

 

また、自慢に自慢で勝った!という人もたまにいますが、基本的にはあまりおすすめできません。相手が不満に思って思わぬ攻撃をされる可能性もありますし、子どもの優れた点は、年齢が上がるほどわざわざ自慢しなくても認められていくもの。 ほめ言葉は他人ではなく、子ども本人に向けましょう。

 

わが子が将来、自慢ばかりする人間にならないために

ここまで見てきて、自分を振り返るとともに「うちの子が自慢ばかりする子になったら」と心配になった人もいるかもしれません。

 

実際、あるママは、自慢話の絶えないママ友に思い切って理由を聞いてみたそうです。 すると相手は、小さい頃の家庭環境などが原因か、幸せを自分のものさしで測れない、実感できないと打ち明けてくれたのだとか。誰かからほめられると「ああ良かった」と初めて確認できるのだということでした。

 

また別のママは、「長女は、下の子が生まれて寂しい思いをしていた時期に、祖父母によくおもちゃや小物をねだり、友だちにやたらと自慢していたと後でママ友から聞きました。一時的にでしたが、親からの愛情に不安を感じ、せめてモノの多さで愛されていることを証明したかったのかもしれませんね」と話します。

 

モノや他人の声といった外部の尺度がなくても、自分の価値観を持って生きている人は、自慢とは無縁なのかもしれません。

 

子どもをそんな風に育てようと思ってもなかなか簡単にできることではありませんが、小さい頃から子ども自身の喜んでいることを共に喜び、他の子と比較ばかりせず、結果だけを見てほめたり叱ったりせず励ましていく…という地味な毎日の積み重ねで、少しでも自信をつけ、自分なりの価値観をしっかり持った大人になってほしいですね。

 

まとめ


今回は、ママ友間での自慢について考えてみました。 いっさい自慢しないことが美徳なのか、子どもや自分が努力の結果できるようになったことを堂々とアピールすることすら悪いのか…考えれば考えるほど分からず、奥深いものだとつくづく思いますが、少しでも参考になれば幸いです。

 

文/高谷みえこ