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近年、「投資についてはほとんど初心者だけど、積極的に行ってみたい!」と考える方が増えてきています。このような方々にとって、投資家から集めたお金を、プロがまとめて運用してくれる投資信託は、非常に魅力的な金融商品だと言えるでしょう。 投資信託の登場で、投資に対する「手間がかかるもの」といったイメージも、払拭されつつあります。最近では、「ほったらかし投資」なんて言葉も注目を集めています。 とはいえ、投資期間が長期に及べば、ポートフォリオが崩れたり、当初の目標とは異なる方向へと向かっていってしまったりすることも考えられます。投資信託の推移を確認するタイミングやその意義、リバランスの重要性について解説します。

■投資信託、ほったらかしだとどうなるの?

投資においては、リスク回避のために分散投資を行うことが重要です。自分のライフスタイルや投資の目的に合わせてポートフォリオを組み、それに沿って投資を行っていきます。 理屈の上では、ポートフォリオを組むことで、大体その流れにそった運用が可能になると言われています。しかし現実には、市場の変化に応じて、保有資産の割合は少しずつ崩れていってしまいます。 たとえば投資をスタートした際には、「債権50%、株式50%」の慎重派の姿勢を選択していたとしても、株式の価格の上昇と共に、両者のバランスは「債権<株式」の図式へと近付いていきます。当初の目的よりも「リスク許容型」へと変化していってしまうのです。 このタイミングで経済状況が急激に変化した場合、保有している株式の割合に応じて、被る損失額も大きくなってしまいます。投資信託をほったらかしで放置していた場合、こうしたリスクを回避することが難しくなってしまうのです。

■定期的なリバランスが重要!

このような問題を防ぐために、重要だと言われているのが定期的なリバランスです。リバランスとは、保有している金融資産を見直し、今の状況に合わせてバランスの再調整を行うことを言います。先ほどの例で言えば、「株式が増えた分を売却し、債権を購入してバランスを整える」ことになります。 リバランスを行うことで、ポートフォリオが自分の目的に沿ったものとなり、運用益の上昇につながる可能性も高くなるでしょう。 このようなリバランスは、定期的に行うのが望ましいとされています。「こまめにチェックしなくても良い」というのが投資信託の魅力ではありますが、やはりその運用成績については、ある程度意識しておきたいところです。 そしてあまりにも当初設定したポートフォリオからずれが生じてしまっている場合には、リバランスを行うと良いでしょう。 リバランスをいつ行うのが最適なのかについては、考え方によって差が生じるポイントでもあります。「1年に1回は行った方が良い」とする意見もあれば、「保有資産の金額が大きく動いたとき」とする意見もあります。 また自分自身のライフスタイルや投資の目的が大きく変わったときも、見直しするべきタイミングであると言えるでしょう。 「投資信託をスタートしたものの、ついついほったらかしの状態になってしまう」という場合は、もともと「投資」に対する興味・関心が薄いことも考えられます。こうしたタイプの方々が、「こまめに内容をチェックして、リバランスを行うべき」と言われても、ストレスばかりが高じてしまう可能性も高いでしょう。 自分なりのルールを設定して、賢く運用していくのがオススメです。例えば「自分の誕生日」や「年末年始」など、期日を定めてリバランスを行うことで、ポートフォリオの再確認と軌道修正を実施することができます。