子どもが保育園に通うようになると、日々の生活スタイルの中に組み込まれるのがお昼寝です。どの保育園でも、午後の保育にはだいたいお昼寝がセットになっているもの。しかしこのお昼寝が、思わぬ問題を引き起こしてしまうケースもあるのです。 保育園の「お昼寝問題」に関して、あなた自身はどう思いますか?保育園のお昼寝問題が抱える実態や、「賛成派」「反対派」、それぞれの意見について紹介していきます。
■なぜ保育園では「お昼寝」が取り入れられているのか?
まず気になるのが、「なぜ保育園の活動には、お昼寝がセットになっているの?」という点です。保育園に通う子どもの年代は幅広く、小学生になる直前まで、保育園に通いお昼寝をする子どももいます。しかし同じ年代で幼稚園に通う子どものほとんどは、園でお昼寝をするという習慣になじみがありません。大人と同じようなリズムで1日を過ごし、お昼寝はなしというケースが多くなっています。 保育園でお昼寝が取り入れられるのは、幼稚園よりも長くなりがちな園での時間を、円滑に乗り切っていくためだと言われています。 日中の活動で疲れが溜まれば、大人であっても機嫌が悪くなったり、作業効率が落ちてしまったりします。幼い子どもであれば、なおのこと。夕方から夜にかけての時間にぐずりやトラブルを生じさせないためにも、お昼寝の時間が設けられています。 また日中に適度なお昼寝をすることで、子どもの隠れ睡眠不足を予防し、健やかな成長をサポートすることができると言われています。メラトニンという睡眠ホルモンがたくさん分泌されれば、脳の発達にもつながるでしょう。 また子どもが起きているときには、そのお世話にかかりきりになってしまう保育士さんたちにとっても、お昼寝タイムは重要な時間。保護者とのコミュニケーションツールである連絡帳を記入したり、さまざまな事務仕事を行ったりします。
■お昼寝が抱える問題点とは?
このように聞くと、「保育園でのお昼寝はメリットいっぱい!それのどこが問題なの?」と感じる方も多いかもしれません。実際、子どもがまだ幼い内には、このお昼寝が問題になるケースはほとんどありません。 とはいえ、子どもの成長には個人差があり、お昼寝の必要性についても、一人一人で違っているのが現実です。お昼寝しなくても大丈夫な子にとって、「とにかく寝なさい」と言われる時間は、苦痛以外の何物でもないでしょう。
また子どもに体力がついてくると、おうちに帰ってから「お昼寝が原因で夜眠れなくなってしまう」なんて、本末転倒の問題が起きる可能性もあります。特に4歳~6歳になると、お昼寝と夜更かしがセットになり、かえって生活リズムを崩してしまうようなケースもあります。 運よくどちらのケースに当てはまらなかったとしても、やがて保育園生活は終わりを迎えます。小学校に入学すれば、当たり前ですがお昼寝タイムは無くなってしまうのです。これまで、お昼寝をしていた時間帯に5時間目の授業を受けるというのは、子どもにとって大変なもの。このあたりのギャップも、保育園のお昼寝が抱える問題点の一つだと言われています。