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日本には様々な慣習がありますよね。歓送迎会が行われる時期によく聞く「寸志」もそのひとつ。しかし「寸志を持っていくか」の判断は難しいようで、しばしば議論が巻き起こっています。一体どんな意見が上がっているのか見ていきましょう。

 

送別会の主役なのに「寸志」を渡すのはおかしい?


もうすぐ会社を退職する女性は、「来週会社が送別会を開いてくれます。そのことを夫に話すと『じゃあ寸志を包まなきゃ』と封筒を買ってきました。でも送られる側である私は、寸志を包むべきなのでしょうか?」と疑問を投げかけていました。

 

お悩みの声を受けてネット上では様々な声が続出。最も多く見られたのは「送別会の主役は寸志を持って行かなくてもいい」という意見です。「会社の慣習にもよるけど、基本的にはナシ。持ってこられても、申し訳なくて受け取れないよ」「空気を読まなきゃいけないのが面倒ですよね。送別会の主役なら、普通は包まなくていいはずですよ」などのコメントが。

 

しかし気をつけるポイントは慣習以外にもあるようで、「『幹部』など、ある程度高い役職についていた場合は包むべき」という人も少なくありません。

 

一方「お金ではなく“もの”を贈る」との意見も多く見られます。「『皆さんで使ってください』と、ボールペンを大量に渡した」「菓子折りを渡すだけでいいかも」「社内で役立つ便利グッズを贈りました」などの声が。

歓迎会の主役は寸志を包むべき?


送別会の主役に対しては「寸志を包まなくても良い」という意見が目立ちましたが、「歓迎会の主役」の場合は賛否の嵐が吹き荒れています。

 

“包むべき”という人からは「寸志で『これからよろしくお願いします』という気持ちを表現するのは大事」「入社先の会社にどういう慣習があるのかわからない以上、包んだ方が無難ですよ」「会社全体として歓迎会を開いてもらう場合は、『自分のために開催してくれてありがとうございます』という意味で寸志を包むべき」といった意見が上がっていました。

 

一方“包まなくていい”という人は、「寸志を持って行かずに陰口を叩かれるなら、その職場自体に問題があるのでは?」と疑問の声を上げています。他にも「歓迎会の主役は、言い換えれば招待される側。会社がもてなすのに寸志を包むのはおかしい!」「新入社員が会社の戦力になっていないうちから、寸志を包むのは違う気がする。別に会社側も寸志を包んでくれたからといって評価しない」などの意見が。

 

しかし歓迎会の主役が複数人いる際は、「自分は用意していないけど、ほかの人は寸志を包んでいた」というケースもあるよう。「焦らないように一応包んでおく」との対処法が上げられています。

「寸志」は他にも様々な呼び方が!?


寸志を渡す場面は歓送迎会以外にも、「結婚式」「パーティー」などがありますよね。しかし「香典返しのときは志って言うよね」「引っ越しのとき業者に渡すのは心づけ」など、場面によって呼び名は様々なようです。

 

一般的に「寸志」とは、目上の人が目下の人に対して使う言葉。上司に対して「寸志」を渡すのはマナー違反とされており、「御礼」「ご挨拶」などとして包むのが良いそうです。また受け取った「寸志」を紹介する際は、「ご厚志」「ご芳志」という呼び名に変えましょう。

 

一方「志」については上下関係がなく、部下から上司に対して渡す際も「志」と言ってOK。ただ「志」は「香典返し」「法事の引き出もの」など、“不祝儀”でよく使われるので「御礼」としたほうがいいかもしれません。

 

送る側と送られる側、お互いが気持ちよく歓送迎会を楽しみたいものですね。

 

文/内田裕子