心臓に重大な合併症が起きてしまうこともある「川崎病」。
怖い病気と思われている保護者の方も多いかと思いますが、
早めに適切な対処をしてあげれば、 そこまで怖がる病気ではありません。 その原因は?対策は? 「川崎病」の病気の特徴について、 小児科医の保田典子先生に 分かりやすく解説してもらいました。
どんな症状?
「川崎病」の症状
下記の経過があれば、川崎病の可能性があります。 1. 5日以上の発熱 2. 首のリンパ節が腫れる 3. イチゴ舌(舌が赤くてぶつぶつができる) 4.手足の指が赤く腫れる 5. 発疹 6. 目の充血 発熱が5日以上続くようなら、速やかに受診をしましょう。 BCGをうったところが腫れやすく、舌や喉や唇も真っ赤になるのが特徴です。 発疹はプツプツとした発疹ではなく、数センチ大の赤みがあるような発疹です。 さらに普通の風邪だと熱が高くても元気にしていることもありますが、川崎病はぐったりしてしんどさでじっと辛さを耐えているような状態になります。 症状自体も辛いですが、大事なのは診断がつき次第、早めに治療をして熱を下げてあげることです。 熱が下がらずに炎症が長く続くと、心臓に重大な合併症(冠動脈瘤と呼ばれる心臓にある血管が太くなってしまうこと)が起きてしまうことがあります。冠動脈瘤は心筋梗塞のリスクがあるので、一生薬を飲み続けて予防をする必要も出てきます。
何が原因なの?
原因は不明
川崎病は原因不明と言われています。川崎病が見つかってから40年ほどたち、色々な研究がされていますが、感染症説、アレルギー説、自己免疫疾患説など様々な説が言われていますが、確定していません。 ただ、感染症といっても、近くに川崎病の人がいたからうつるかも、ということはありません。
自宅での対策は?
自宅ケアではなく、入院しての治療が必要
川崎病も診断基準に「5日以上の発熱」とあるくらいなので、診断がつくのは発症してから時間が経過していることが多いです。 診断されると自宅でケアをするというよりは、入院治療となります。一般的には1週間から2週間程度での退院となることが多いですが、症状の経過によって大きく変わります。家族感染の危険はないので川崎病と診断されれば、面会は可能です。
診断が遅れると重篤な合併症、後遺症を残す
川崎病は診断が遅れると重篤な合併症、後遺症を残すことがあります。5日以上の発熱があった場合は、もしお子さんが元気な様子であっても、まずは受診することが大切です。
いつ登園できる?
病院の主治医の先生と相談を
入院が必要な病気なので、病院の主治医の先生と相談して決めましょう。
保田先生よりひとこと
川崎病は発症後4〜5日経過しないと診断できないことが多いですが、発症後1週間以内と早い段階で治療を開始することが、かなり重要な病気です。発熱してから4〜5日が経過している、ずっとぐったりしている、などの症状があれば、一刻も早く受診して早く対処することが必要です。 また川崎病は、小児特有の病気なので、小児科専門の医師に診てもらうことをおすすめします。
取材・文/松崎愛香 トップ画デザイン/山本めぐみ(el oso logos) イラスト/岡村優太