昔は子育てに積極的な男性は出世を諦めるという風潮があったよね
―――(前回の記事の冒頭で)父親同士もコミュニティを作って、社会で子どもを育てるカルチャーができたらというお話がありましたが、職場ではお子さんの話ってしてますか?

松延:今までは、子どもがすごい好きとか家のことをやる男の人は出世を諦めていて、逆に出世を目指す人は家庭のことはかえりみないっていうのがあったと思うんです。でも今は20〜30代前半くらいまでの若い世代の人たちを中心に、仕事も育児も家事もやって当たり前っていう考え方の人が増えているように感じています。
髙橋:一概にはいえないけど、だいたい40歳前後くらいの人たちと若い人たちでは、圧倒的に考え方が変わってきている。だから僕たちが打ち出していることって、20代前半の人たちにとってはもしかしたら「普通のこと言ってるじゃん」と思われているかもしれないですよね。
―――共働き世帯数の推移にも比例しているのかもしれませんね。
松延:ただ一方で、出世欲があまりなくて、プライベートに寄りがちな若者も結構いるので、やっぱりどっちも頑張るべきなんじゃない?っていうのが、いいお手本というか、いいモデルになるんじゃないかなって。子どもに仕事を頑張っている姿を見せることも大事なんだと思いますね。 あとは、海外だとパーティに夫婦や家族で参加するような機会ってあるじゃないですか。日本ってそういうのがあんまりないですよね。以前、会社のパーティがあって、家族も一緒にって言われたんですが、みんな奥さんをあまり連れてこないんですよね。いやいやうちは…みたいな。恥ずかしいのか慣れていないのか。まだまだそういう文化なんだなって。

寺島:僕の場合は、上司が家族全員で集まろうみたいなことを意識的にやってくれる人で。BBQとか新築祝いとか、事あるごとに家族全員呼んでくれて、ワイワイガチャガチャやるっていうのがあって結構楽しい。一緒に仕事してる人の奥さんを見ると急に人間味が感じられて、いい効果が生まれますよね。そこに家族を連れていくと自分のパートナーのことももちろんちゃんと紹介するし、大事にする。それを子どもが見て、こういうコミュニティがあるんだってことがわかるのもいいと思うし。そういう場を上司が作ってくれると、やりやすくなりますね。
―――最近は会社の上司や同僚とあまり距離を縮めたがらない傾向も見受けられますが、家族と会社がオープンな関係になっているのは、お互いにとってもいい側面がありますよね。