■資格を取得しても、独立・開業・安定経営は難しいという現実

ファイナンシャル・プランナーの資格は、「独立・開業につながる」という側面で注目されるケースも少なくありません。自分の知識を活かし、自分のペースで仕事ができるようになったら嬉しい!と、夢を抱く方も多いのではないでしょうか。 しかし、実際にファイナンシャル・プランニング技能士1級の資格を取得できたとしても、独立・開業・安定経営を目指すのは、決して簡単なことではありません。ファイナンシャル・プランナーが得る報酬は、「顧客からの相談に応じることで、料金をいただく」仕組みになっているからです。 「家計診断」に興味はあっても、ファイナンシャル・プランナーにお金を出してまで依頼しようとする方は、まだまだ多くはありません。「まったく知らない相手」だとしたら、それはなおのことだと言えるでしょう。 もちろん、独自の人脈や宣伝方法を活かして、経営を成功させているケースもありますが、「保険」や「ローン」など、特定の金融商品を扱う場合には、会社に所属するファイナンシャル・プランナーが、サービスの一部として、相談を受け付けるケースも少なくありません。 「わざわざお金を出して依頼しなくても、サービスを受ける方法がある」というのも、FP独立・開業を難しくしている要因の一つと言えそうです。

 

■ファイナンシャル・プランナー資格は、企業内で活かすのがオススメ

独立・開業・安定経営の道は厳しいファイナンシャル・プランナー資格ですが、「取得するのが無駄」というわけではありません。活用目的を変えることで、魅力度の高い資格となります。 ファイナンシャル・プランナー資格を保有しているということは、家計やお金に関する基本的な知識を身につけているということ。「保険」や「ローン」、「老後の資金」、「税金」、「教育費」、「資産運用」などなど……ファイナンシャル・プランナー知識を必要とする業種は非常に多岐にわたります。 こうした企業内で活かすという視線であれば、ファイナンシャル・プランナー資格は非常に大きな意味を持ちます。 現在働いている会社で、FP資格取得を奨励するような動きがあれば、積極的に検討してみるのも良いでしょう。またこうした業界への転職を検討している場合にも、資格取得が有利に働いてくれる可能性があります。 将来的には独立・開業を目指したい!ということであっても、まずは「社内で活かす」ことを前提にして、準備を整えていくのがオススメです。

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■まとめ

家計とお金にまつわる専門家、ファイナンシャル・プランナーで独立・開業を目指したときには、「安定経営は非常に難しい」と言わざるを得ません。顧客からの信頼が重要であり、また常に新規顧客の開拓を求められる分野でもあるからです。 ファイナンシャル・プランナーの資格を取得して、「より多くのお金を稼ぐ」ことを意識するなら、資格取得者を優遇してくれる会社で働くことを目標にしてみてください。身につけた知識を活かしながら、毎日イキイキと仕事ができることでしょう。常に最新の情報に触れながら、独立への道も、探っていけるのではないでしょうか。