性格が似ているのを「知る」ことが第一歩
子育て中のママから時々聞くのが、「自分は子どもの頃、母親のこういう所がイヤだったのに、気が付けば同じ行動をしている気がする」というもの。
また、自分が子どもの頃に気が弱く、よく泣かされていたことがコンプレックスだったパパが、わが子に同じ思いをしてほしくないという気持ちが強くなり、わが子が友達に強く言い返せなかったりモジモジしていたりするのを見ると腹が立ってしょうがない…という話もよく聞きます。
しかし、「母親のようになりたくない」「自分の子どもの頃のようになってほしくない」という自分の思いに気付いたのなら、すでに一歩引いて自分を見られるようになったということでもあります。
心理学や教育の場では、こういった、自分固有の考え方(=認知)を、あたかももう一人の自分が見下ろしているかのような自覚が持てる状態を「メタ認知」といい、その人の課題を解決するのに役立てています。
「ああ、また昔の母のように怒鳴ってしまった、あんなに嫌だったのに」「なんでわが子はちゃんとイヤなことはイヤだと言えないのか」と腹を立てたり、落ち込んだり、自分を責めたりするのではなく、「自分は今こう思った」ということは認めて「では次はこうしてみよう」というサイクルを繰り返すことで、次第にベストな考え方ができるようになっていくと言われています。
まとめ
親子って良いところはちっとも似てくれず、悪いところばかり似てしまう…と思いがちですが、長所というのは自分では当たり前だと思っていて気づいていないこともあります。
先生や他の人から、お子さんの良いところを言われて、「そうかな?」と意外に思ったら、実はそこがママに似ているのかもしれません。
そんな時はぜひ、お子さんも自分自身もたくさん褒めてあげて下さいね。
文/高谷みえこ
参考:『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』(小倉 広 著/ダイヤモンド社)
奈良教育大学「メタ認知の概要」「メタ認知に関心のある方へ」
http://www2.nara-edu.ac.jp/CERT/nara-edu/outline/index.html
http://www2.nara-edu.ac.jp/CERT/nara-edu/concern/