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「赤ちゃんってどうやってできるの?」と子どもに突然聞かれてドキッとしたり、「今ドキの子は小学生でも付き合う子がいるらしいよ」なんて話を聞いて心配になったり…。親にとって子どもの性教育は気になるものです。 一方で、性教育ってどうやってすればいいの?いつから始めたらいいの?とわからないことだらけで不安という人は多いのではないでしょうか。 今回の特集は、子どもたちの「性教育」についてお伝えします。現在、全国でとにかく明るい性教育「パンツの教室」を開催し、大反響を呼んでいる性教育アドバイザーののじまなみさんにお話を伺いました。 全4回に渡ってお届けする特集の1回目は、日本の性教育の現状と、性教育の適齢期についてお伝えします。

 

特集INDEX

第1回 

子どもの性教育って、いつから始めるべき?

第2回 

「なんで赤ちゃんってできるの?」子どもの疑問に親としてどう答える?

第3回 

子どもから突然、性の質問が…そんな時に使える「魔法の言葉」

第4回 

パパが抵抗感なく子供の性教育に取り組む秘訣

 

子どもの性教育って、いつから始めるべきなの?


世界の性教育のスタンダードは5歳から

日本では子どもに性教育をすることに対する拒否反応は根強く、タブー視されています。「性教育をすることで子どもたちの性行動が早まるのではないか」と考える人が多いのです。 では、世界はどうなのでしょう。2009年にユネスコから刊行された「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」(2018年1月に改訂)では、性教育の開始年齢が設定されていますが、その年齢はなんと5歳。「え、そんなに早くから?」と驚かれる人は多いと思いますが、これが世界のスタンダードな流れになっています。

 

「例えばノルウェーでは20年も前から性教育に力を入れており、小学校に看護師を呼んで、避妊について教えています。6年生になると『赤ちゃんはどうやってできるのか』をテーマにした自由研究をするような授業もあるんですよ」とのじまさん。

 

さらに日本でいえば「おかあさんといっしょ」のような、小さな子ども向けテレビ番組でも性について教える内容が盛り込まれているといいます。 「ヨーロッパでは、学校と家庭が連携して性教育をするのがスタンダードになっているんです」

 

では、日本はどうなのでしょうか。 「日本は驚くほどの性教育後進国です。お隣の中国や韓国と比較してもかなり遅れているといわざるを得ません」 1990年代に入り、HIVの感染拡大が起きた時に空前の性教育ブームが起こりましたが、すぐにひどいバッシングが起きました。

 

「日本では、性教育に対する拒否反応が根強く残っており、頑張って性教育をしようとする先生たちが叩かれてしまうというのが現状です。そもそも文部科学省が定める学習指導要領では、小学校4年生から体の発育・発達についての説明はあるものの、性交渉については触れられていません。つまり、国公立の小中学校では十分な性教育は期待できないのです」