■デジタル遺品に関する情報共有も、終活の一つ

173-2

自分自身の死後、残される家族への負担を最小限にするために、積極的に「終活」に取り組む方も増えてきています。デジタル遺品に対してどんな作業をして欲しいのか、また必要となるのかをハッキリとさせておくことも、現代を生きる人々にとって、非常に重要な終活となっているのです。 まずは、自分が亡くなったあと、手続きが必要なことがあれば、わかりやすくまとめておきましょう。また中身を見ずにそのまま削除して欲しいものがあれば、それもはっきりと記載しておきます。 もしも終活を考え始めたタイミングで、「すでに使用していないけれど、アカウントや契約が残っているサービス」があるなら、それも責任を持って削除しておくことも大切です。 スマートフォンやパソコンは、誰にとっても身近なアイテムです。これからの時代、人が亡くなったときには、当然デジタル遺品が発生するものと考え、準備しておいた方が良いでしょう。家族でよく話し合っておくのもオススメの方法です。

 

■デジタル遺品トラブルに遭遇してしまった場合の対処法

実際にデジタル遺品を残された場合には、法律に則って適切に対処する必要があります。まずはスマートフォンなどに残された個人情報を勝手に見れば、相続人同士のトラブルになり、民事訴訟に発展してしまう可能性もあります。 ただしデータが保存された機器を相続したあとであれば、その中に付随しているデータも、相続の対象として考えられています。 オンライン上のデータに本人以外がアクセスすることは、不正アクセス禁止法に該当する恐れがあるので、こちらも注意してください。オンラインバンクなどの取り扱い方法は、銀行によってルールが異なりますから、一つ一つ確認した上で、必要な手続きを行うようにしてください。 デジタル遺品の中には、重要なデータと共に「残された人にとって見たくはないもの」が含まれている可能性もあります。このようなリスクを避けたいということであれば、デジタル遺品の取り扱いを専門に行っている業者に、対応をお願いすると良いでしょう。残された人々にとって必要なものとそうではないものを選別した上で、必要な提案を行ってくれる遺品整理業者も存在しています。

 

■デジタル遺品、残す側も残される側も注意が必要

現代人の生活に、非常に身近なデジタル遺品。その取扱い方が原因でトラブルが発生してしまうのは、非常に残念なことだと言えるでしょう。残す側にも、そして残された側にも配慮が必要だと言えます。 トラブルを避けるために、もっとも有効なのは、「事前にしっかりと対策をしておく」ということです。ネット上にアカウントや口座がある場合には、それらを一覧にして提示しておきましょう。パスワードや必要な情報をUSBに保存し、遺言と共に残しておくと安心です。 通常の遺品とは違うからこそ、デジタル遺品ならではの注意点を意識してみてくださいね。