■まずは自分の行動を意識することが大事

場面や状況に応じてお金の使い方を変えることは、ある意味で人間にとって当たり前のこと。コツコツとお金を貯め、やっと実現した家族旅行で、いつもと同じケチケチっぷりを発揮したところで、家族の満足度が上がるとは思えません。また毎日頑張っているからこそ、「ご褒美」が必要な場面だってあるでしょう。 メンタルアカウンティングは人間にとって身近なもので、それが「悪い」というわけではないのです。 ただし一点だけ注意しなければならないのは、私たちは通常、このメンタルアカウンティングを「無意識のうち」に実行してしまっているということです。 いつもコーヒーを節約しているからと、日常的に「ご褒美」を購入していれば、お金が貯まらないのは当たり前のこと。しかし自分にとっては無意識の行動だからこそ、「お金が貯まらない理由」にも気付きにくいというわけですね。 だからこそ大切なのは、まず「メンタルアカウンティング」の存在について意識することです。お金に関して何か判断を行う際には、心の会計が判断を鈍らせていないかどうか、意識するだけでも状況は変わります。 金額の大きな買い物をする際には、特にメンタルアカウンティングがかかることが多いと言われています。お金の価値や自分たちの考え方について、今一度しっかりと見つめ直し、納得できるお会計を目指してみてください。

 

■メンタルアカウンティングでお金を貯めよう!

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メンタルアカウンティングは、「お金が貯まらない理由」「浪費を引き起こす仕組み」の中で語られるケースが多いです。しかしお金に関する人間の心理的行動を利用すれば、「貯める」という方向に向けることもできるのです。 メンタルアカウンティングを活用してお金を貯めたい!と思ったときには、ぜひ以下の方法を実践してみてください。 ★給料日を迎えたら、生活費以外を貯蓄用口座に移す 口座の中にたくさんお金が入っていると、なぜか安心感がある!という方はいませんか? 口座に100万円入っているときの「1万円」と、5万円しかないときの「1万円」。貨幣としての価値は同じであるにもかかわらず、前者の方を軽く考えてしまいがちです。 メンタルアカウンティングを活用してお金を貯めたいなら、意識的に後者の状況を作り出すのがオススメです。先取貯蓄でお金を隠してしまうことで、無駄遣いを防ぐ効果が期待できます。 ★お財布の中に、なるべくお金を入れない 同様のことが、お財布の中でも言えるでしょう。お財布がパンパンのときの千円と、最後の千円では重みが違って感じられるはず。こちらでも、常に後者を意識することで、節約モードを高められます。 ★キャッシュレス決済から、できるだけ遠ざかる キャッシュレス決済が便利な時代になっていますが、決済が楽だと、心理的ハードルが下がってしまいます。こちらでも、あえて面倒な現金払いのみを選択することで、良いメンタルアカウンティングへとつなげていけることでしょう。

 

■まとめ

お金に対する判断が常に非合理的になり、それに振り回されてしまうと、お金はなかなか貯まりません。働く女性たちの中にも、「今日は仕事頑張ったからいいか!」なんてメンタルアカウンティングに、心当たりがある方も多いのではないでしょうか。 「あ、これが非合理的な判断なんだ!」と気付くことから、消費傾向は変わってきます。ぜひ意識して、毎日の生活を「貯められる家計」へと変えていきましょう!