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毎日一生懸命に働いているはずなのに、なかなかお金が貯まらない!なんて経験はありませんか? 努力が結果に結び付かない状況は、非常に辛いものですよね。ストレスが溜まれば、さらに家計に悪い影響を与えてしまう可能性もあります。 一生懸命働いていてもお金が貯まらないのは、メンタルアカウンティングが関連しているのかもしれません。効率よくお金を貯めるため、知っておきたいメンタルアカウンティングの基礎知識を紹介します。

 

■メンタルアカウンティングとは?

まずはメンタルアカウンティングという言葉の意味についてです。まだまだ「初めて聞いた」という方も多いのかもしれませんね。日本語では「心の会計」と訳され、行動経済学で示される概念の一つとなります。 いったいどういうことなのかというと、「人がお金に関するさまざまな判断をするとき、お金を取り巻く状況を総合的に判断し、しばしば非合理的な判断をしてしまう」ということを示しています。具体的には、以下のような例がメンタルアカウンティングに当てはまります。 ★普段はケチなのに、パチンコで儲けた1万円は気前よく使う 労働して得た1万円も、パチンコで儲けた1万円も、貨幣としての価値は同じです。それにも関わらず、その使い方に差が出るのは「ギャンブルで儲けたあぶく銭」という意識が働いているためだと考えられます。 無意識のうちに、お金の色分けを行っていて、それが浪費行動につながっています。 ★コーヒーを買うのは節約しつつ、「ご褒美」のブランド品は即購入する 冷静に判断すれば、コーヒーの価格はわずか数百円で、ブランド品は数万円。節約するならどちらを控えるべきなのか、一目瞭然です。しかし実際には、「ご褒美だから」という判断で、高価なブランド品を購入してしまうケースも少なくありません。 自身の感情が消費活動に影響を与え、それが非合理的な判断につながっていることがわかります。 ★旅行中には、つい財布の紐が緩んでしまう 普段のランチは数百円でも「高い」と思うのに、旅行中は数千円でもためらいなく支払ってしまう!なんてことはありませんか? 同じ「ランチ」であっても、前者は「生活費」、後者は「特別費」だと、自分の心が勝手に判断しているためです。 このように、実は私たちの消費活動には、それぞれの「心」や「考え方」が深く関わっています。これこそがメンタルアカウンティングの内容であり、浪費の原因になってしまっていると予想されます。