妊娠中は、口にするものに気をつけている妊婦さんが多いようです。特に生ものは食中毒の危険性から、できるだけ避けるという方もいます。 しかし妊娠中は、酸味のあるさっぱりとした後味のものが無性に食べたくなることもあるようです。そのひとつがお寿司。もともと好きな方も多いお寿司は、お祝いごとやパーティーなどでもよく登場するメニューです。そんなお寿司を妊娠中に制限されることはストレスではないでしょうか。 本コラムでは、妊娠中にお寿司がダメと言われる理由や、食べても良いネタなどをご紹介したいと思います。
■妊娠中にお寿司がダメと言われる理由
妊娠中には生ものは一切ダメというわけではないそうです。気をつけなければならないのは食べすぎること。その理由は3つあげられます。 ・メチル水銀の過剰摂取が危険なため 生の魚介類には、有害物質が含まれていることがあります。特にお寿司のネタで人気のマグロにはメチル水銀中が蓄積されています。メチル水銀は、過剰摂取により人間の中枢神経に障害を及ぼすと言われているもの。 普段の食事にも水銀は含まれているのですが、体内で分解、排出されるため、蓄積されるということはありません。しかし、妊娠中は胎盤を通じて胎児へも水銀が運ばれてしまいます。胎児は体の機能も未熟で、水銀を排出することができないため、産後の成長に影響を及ぼすことがあるそうです。 ・食中毒になる危険性があるため 生の魚介類にはノロウイルスや腸炎ビブリオ、アニサキスなどの細菌が潜んでいることがあり、これらは食中毒の原因となります。妊婦さんでなくとも聞いたことのある名前なのではないでしょうか。 妊娠中に食中毒になった場合、胎児へも細菌が感染する危険性があります。そうなると流産や死産といった最悪のケースも考えられます。また、食中毒では投薬による治療を行いますが、妊娠中は飲める薬も限られてしまうため、十分な治療が得られず、体の回復が遅れることもあります。 ・太りやすいため お寿司はさっぱりした後味からヘルシーに感じますが、酢飯には砂糖、塩が含まれていますし、脂の乗った魚はもちろん高い脂肪分を含んでいます。また、醤油をつけることで塩分量はさらにアップします。 口あたりの良さからついつい食べすぎてしまい、回転寿司ではついついカロリーオーバーしがちです。妊婦さんにとって、急激な体重の増加はご法度のため、お寿司を制限している医師もいるそうです。 お寿司も少量であれば問題ないですが、たくさん食べすぎると上にあげたような危険性が考えられるため、不安要素を排除する意味でも、できる限り避けておいた方が無難かもしれません。