子どもの“可能性”を引き伸ばす「習い事」。しかしその期待が大きく膨らみすぎて、現実に打ちひしがれるお母さんも無きにしも非ず。つい先日も、とある女性が投稿した「子どもの習い事が上手くいきません…」という書き込みが話題になりました。
子どもの習い事が上手くいかず、たった4カ月で辞めた話
相談者の子どもは、最近まで楽器の習い事をやっていました。ところが実際に習い事の様子を見学してみると、子どもはレッスン中ふざけているばかり。先生の話もろくに聞かず、全く集中できていませんでした。そんな我が子の不真面目な態度を見て、女性は思わずガッカリ。“これ以上習わせていても先生の邪魔になるだけ”と判断した彼女は、たった4カ月で習い事を辞めさせてしまったといいます。
そんな彼女の投稿を見て、世のお母さん方から共感の声が続出。「私の子どもも塾に通っていた時、全く同じ感じでした」「うちの娘なんか、“先生の家でおままごとしたい”って。もう何しに行ってるんだか…」「我が子が真面目に取り組んでいる姿なんて、今まで見たことない」といった“嘆き”の数々が上がっています。
小さい子どもが習い事に集中できないのは当たり前!?
一方「『今まで頑張ってきたんだから』と意地を張った結果…」とコメントする女性は、なあなあの状態で結局7年も習い事を続けてしまったとか。しかもその7年間で得たものといえば、親子でしんどい思いをしただけ。彼女は「もっと早く見切りをつければ良かった」「何の役にも立たなかった」と悲痛な想いを語っていました。
しかし中には「小さい子どもが習い事に集中できないのは当たり前」「ヤル気十分な子の方が少ない。そんな子がいたら天才児の部類」「いや~、期待しすぎでしょう。うちはもっと酷かったけど、今でも続けてるよ」といった指摘の声も。
またアドバイスも多数寄せられており、ネット上では「小さい子の集中力はもって20分。習い事は座っていられるかどうかが1番重要」「先生から『30分椅子に座ってレッスンできれば習えます』と入塾の条件を出されたことがあった。まずはそこを試すべきだったのかも」「子どもが幼ければ幼いほど、親も一緒に付き添って面倒見てあげないと。子どものやる気を頼りにしていたら、上達も集中も難しいと思う」などの意見が上がっています。
スキルアップより楽しんでやることが重要
思った成果が得られない… と嘆く人がいる一方で、習い事は「スキルアップ」よりも「楽しんでやること」を求めるお母さんが急増しているようです。
「こどもの習い事と遊び」に関する調査(GOB Incubation Partners 株式会社「PAPAMO」調べ)では、3〜5歳の未就学児を持つ親300名を対象にアンケートを実施。「小さい子どもの習い事は、成果より“楽しんでやること”が重要だと思いますか?」という質問では、全体の98%が「とてもそう思う(60%)」「まぁそう思う(38%)」と回答しています。ちなみにそんなママ・パパたちが通わせている習い事には、「水泳」「英語」「体操」「幼児教室」「ピアノ」「サッカー」などが上位に並んでいました。
さらに同調査では、7割以上の親が「未就学児のうちは、特定の習い事(1つから3つ程度)に集中させるよりも“多くのことを体験させたい”」と思っていることが判明。しかしその一方で「いくつの習い事に通わせていますか?」と尋ねてみると、「1つ」と答えた人は全体の7割以上を占める結果に。「2つ」と回答した人が34%であることから、約8割の家庭が特定の習い事に絞らざるを得ない状況だといえます。
現実は理想通りにいかないもの。時には視点を変えて、子どもの習い事に向き合ってみるのもいいかもしれませんね。
文/牧野聡子