新作アニメ『同居人はひざ、時々、頭のうえ。』原作者が語る「子供が漫画家の夢を掴むには」

—— ハルのモデルになった猫はいるのでしょうか？

モデルは特にいないです。普段、キャラクターを作るときにはゼロから作り上げていくことが多いんです。これまで描いてきたのは人間が多かったので、猫はほぼ初めてでした。「猫らしさ」を意識して、悩みながら作り上げました。人間同様、動物にも性格があるので、実際に猫を飼っている方にお話をたくさん聞いて参考にさせてもらいました。

私も「ハルのモデルはこの猫！」というのはないです。不特定の猫たちの表情や動きの研究をしました。ハルは、そうやって作り上げていったキャラクターです。

—— 先生が考える猫の魅力を教えてください。

意思の疎通が容易にできないという点に着目して、その対比を描いたら面白いかも……というのがこの作品を作り始めたきっかけかなと思います。調べていたら、犬は人間との関係を主人と子分と考え付き従うとあったのですが、猫は同居人って書いてありました。「おぉ、（タイトルと）ぴったり！」って（笑）あと、猫は人間のことを体の大きな猫で仲間だと思っているらしいです。そういうところも面白いし、自由で気ままなのが猫の魅力かなと思います

甘えん坊の猫も可愛いのですが、マイペースでこちらが合わせたくなる存在、自由なところは猫の魅力だと思います。猫が何を考えて行動しているのか、研究はされているけれど本当のことはわからないですよね。人嫌いだった素晴が、ハルに出会って「猫が何を考えているのか」ということに興味を示します。そこから、人間に対しての興味へと繋がり、視野を広げるきっかけになったことは面白いと思うし、それも猫の魅力なのかなと感じています。