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毎日の疲れが取れないのに日々忙しすぎて、ついイライラしてしまう……。

 

そんな悩みを持っているママは、多いのではないでしょうか。というか、全員のママがその悩みを抱えていると言っても、過言ではないはずです。

 

とはいえ、せまりくる家事に育児に仕事に。リラックスする暇なんて、な〜い!という人は、ぜひ「毎日のバスタイム」に注目してみてください。

 

バスタイムの楽しみかたについて、あらゆる角度から研究を重ねてきた株式会社バスリエ代表の松永武さんへのインタビュー。第2回目である今回の記事では、「ママのストレスが軽減する究極の入浴法」について教えていただきました。

 

少しのことを実践するだけ。それだけで、ふっと疲れが抜けて、翌朝気持ちよく起きられる。イライラもふっとぶことうけあいですよ!

 

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これでストレス知らず!? 究極の入浴法

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子どもとのバスタイムは「家事」とわりきる

なかなか衝撃的なこちらのご提案。一体どういうことなのでしょうか?

 

「子どもとのバスタイムは、バタバタとなるのが当然です。そこでリラックスしようというのは無理があるもの。家事の一環として、子どもに寄り添った目線で“とにかく楽しく入る”ことが一番です」

 

子どもにとってのバスタイムと、大人にとってのバスタイムは元来違うのものだという。その違いとは?

 

お湯の適温が子どもと大人とでは異なる

「子どもは代謝もいいし肌も敏感なので、大人と同じ温度で入るというのがそもそも間違っているんです」

 

それでは、それぞれの適温は何度ぐらいなのでしょう?

 

「子どもにちょうどいい湯温は、38度ぐらいのぬるめの温度です。そのときの気温や体調によっても異なりますが、体温に近いくらいと思っておくといいですね。一方で、大人の適温は、基本は40度がベースになります」

 

  • 体温プラス2度=ぬるめのお湯
  • 体温プラス4度=適温のお湯
  • 体温プラス6度=熱めのお湯

 

と覚えておくといいとか。

 

子どもとの入浴は「楽しく」が鉄則

じつは、子どもの頃はお風呂がキライだったという松永さん。

 

「僕は4人兄弟なので、子どもの頃はいつもバタバタとお風呂に入っていました。今みたいに追い焚き機能がないから、最後に入る人でもぬるくならないように最初に熱めのお湯がはられていて。最初のほうに入ると、子どもながらに熱いんですよ。“

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数えてから出ようね”とかよく言われましたが、そんな思い出がありお風呂ってガマンだよねっていう印象が……」

 

そんな経験をした松永さんだからこそ、「子どもとのバスタイムは、“子どもの目線で楽しくする”べき」という。

 

「子どもとのバスタイムは、楽しむことと、一日の汚れを落とすこと。すこし気をつけるとしたら、湯船では遊びながらゆっくり浸かることを心がけて。そうすることで冷え対策にもなり、免疫があがることも期待できますよね」

 

さあ、ママのリラックスタイム!子どもが寝たらもう一度お風呂へGO

でも、子どもに湯温を合わせていてはママがリラックスできないのでは?

 

「ママがリラックスするには、子どもとは別に入ってください。理想は、子どもが寝た後に時間を作って、もう一度入ることです。一日に2回もお風呂に入るの……!と思う人もいるかもしれませんが、週1くらいからぜひ実践してみてもらいたい」と松永さん。

 

確かに、無理やり子どもと入るときにリラックスしようと思うと、余計ストレスになりそう……。パパが早く帰ってきた日などに、ぜひトライしてみては?

 

いざ、「ママだけ」お風呂タイム!大事なポイントは?

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湯温が最も重要。湯温計を用意

「入浴の効果を考えるときに、大切になってくるのがお湯の温度です。最近のお風呂では温度設定をしてお湯をはることができますが、おすすめしたいのが『湯温計』の活用です。湯船にフタをするかしないかでも、全然湯温が変わってくるので、湯温計でそのときの正確な湯温を測って、何度のお湯に入っているかというのを意識して」

 

「自分が“気持ちいい”と感じるのは何度のお湯なのか」を意識すると、それが松永さんのいう「入浴の技術」になっていきます。

 

「慣れてくると、リフレッシュしたいときは何度のお湯がいい、リラックスしたいときは何度のお湯がいい、と自分なりのものさしができてきますよ」

 

全身浴か半身浴か。お湯の量にもこだわりを

「半身浴がいいのか全身浴がいいのかは、そのときの体や心の状態次第です。半身浴だと冷えてしまうのでは?と思うかもしれませんが、体に負担が少ないのが半身浴のいいところ。湯に浸かっていない部分が寒くさえなければ、体をゆっくりあっためていく効果があります」

 

体の芯まであたためるということは、お風呂から出ても湯冷めしにくいということにつながるそう。

 

「日本人のお風呂の入り方の特徴なのですが、温めることばかりを意識しがち。実際は温め→冷ます→温めを繰り返すことで、体の芯から温めることができるんですよ」

 

心と体の声を聞く

「どんな湯温、どんな湯量がいいかの正解はないんです」と松永さん。

 

「誰もに共通するのは、バスタイムで癒しが欲しいということではないでしょうか。気持ちいいと感じることを最優先に、目的別の入り方を意識しながら、入浴技術を磨いていって欲しいです。技術を磨けば、短い時間で適宜癒しの効果がある。それがバスタイムです」

 

さらに、効果が高いといわれる入浴剤について聞きました。

 

入浴剤を活用しよう

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松永さんがバスリエを始めたきっかけも「入浴剤」

子どもの頃、お風呂がキライだった……という松永さんがお風呂について研究をしはじめたきっかけも入浴剤だったという。

 

「前職のときは自宅と職場が遠く、往復3時間かけて通っていました。残業をした日などは帰って寝るとすぐ朝、という毎日。そんな疲れ切っている僕に、当時同棲していた現在の妻が、オリゴメールというタラソテラピーをつかった入浴剤を入れた半身浴をすすめてくれたんです。騙されたと思って入ってみたところ、寝ておきたら見違えるほど体がすっきりしたんです」

 

この体験をきっかけに、こんなに体と心を軽くしてくれるお風呂をもっとみんなに広めたい!という気持ちが強くなっていったのだとか。

 

「忙しい人ほど、お風呂に浸かって欲しいですね」

 

入浴剤の効果

「入浴剤は、バスタイムをよりよくするサポートをしてくれるもの。入浴の効果をより高めてくれますね。入浴剤で水道水の塩素をやわらげられ、お湯が濃くることで浸透圧が高くなります。そのため、やわらかいお湯になり、入っていて気持ちよさを感じるんですね」

 

さらに、香りや色などを選べば、五感に働きかけてリラックス効果があるといいます。

 

入浴剤の種類

巷に入浴剤って溢れているけれど……どう選ぶのがいいのでしょうか?

 

「一般的には、売られている入浴剤は主成分はほとんど同じです。色と香りだけの違いであることが多いですね。そこは好みで選んでいただけたらいいと思います。違う種類のものというと、身近なのはバスオイル。オイルは保温効果があり、指通りがよくなるので力をかけずともリンパマッサージができます。ただし掃除が大変なのが難点ですが……」

 

入浴剤の開発も手がけている松永さんのおすすめの入浴剤は?

 

「炭酸ガスと水素ガス。分子がより細かいんで、より体に入ってくるんですよ。毎日でなくても、特別なシーンだけでも利用してもらいたいです」

 

次回の第3回目の記事では、「松永さんがママにオススメする入浴剤」について聞きました!

 

PROFILE|バスリエ 松永武さん


バスリエ株式会社 代表取締役・一般社団法人HOT JAPAN 代表理事。「お風呂に入ったら、鉛のように疲れきった体が文字通り“すうっと”ラクになった」という経験をもとに、「バスタイムを楽しむ」に特化したサービスを提案。自社サイトや楽天市場でのグッズ販売や、バスタイムを楽しむサービスを次々と手がけ、セミナー講師や入浴剤のワークショップも精力的に行っている。バスリエ・バスグッズマニアとして、各メディアでも活躍中。「バスグッズを50,000点試したバスグッズマニア」として、『マツコの知らない世界』でも、そのお風呂の知識を披露したことで一気にその名を知られるように。

 

取材・文/松崎愛香 撮影/田尻陽子