忙しい毎日が続いてしまうと心に余裕がなくなって、チョットしたことでイライラしてしまうことはありませんか?怒りを誰かにぶつけてしまって、後悔してしまうことはありませんか? 怒りの気持ちをコントロールするのはとても難しいものですが、人間関係を円滑にするためには怒りは出来る限り抑えることが必要ですよね。 そこで、怒りをコントロールする方法として注目を浴びている資格「アンガーマネジメント」についてご紹介したいと思います。
◆アンガーマネジメントの始まり
まずは、アンガーマネジメントの始まりについて見ておくことにしましょう。 アンガーマネジメントは、怒りの感情をコントロールするための感情理解教育プログラムとして1970年代にアメリカで開発されてスタートしました。 このプログラムは、ドメスティック・ヴァイオレンス(家庭内暴力)や差別、軽犯罪者に対して行なわれる矯正プログラムとしてカリフォルニア州を中心として導入されて、やがてアメリカ全土へと広まって行きました。 そして、2001年9月11日にアメリカで起こってしまった同時多発テロをキッカケとして全米で注目され大々的に広まって行くことになりました。この出来事によって「不安」な気持ちを多くの方が抱くようになってしまい、その連鎖として「怒り」が引き起こされてしまい世情が不安定になってしまいました。怒りの感情というのは、「不安」な感情と大きく関係していることが分かります。 現在では、アメリカにおいては教育機関や企業でもこのプログラムが取り入れられています。そして、教育現場や職場環境の改善だけでなく、業務実績やコミュニケーション能力の改善などの面で高い成果を上げています。
◆アンガーマネジメントの目的とは?
それでは、アンガーマネジメントはどういう目的で行なわれるプログラムなのでしょうか?その目的について確認しておくことにしましょう。 人は、怒り、悲しみ、孤独、劣等感等のさまざまなネガティブな感情を抱いてしまうことがあります。こうした感情を抱いてしまうようになると、「一体誰に対して」「どのような感情が」「どの程度」抱いてしまっているのか分からなくなってしまうことがあるのだそうです。 そうなってしまうと、周囲にある物や無関係な人に対して八つ当たりをしてしまったり、そうした感情を受け止めてくれる相手に依存してしまったり、同じようなパターンを何度となく繰り返してみたり、そうした感情を自分の心の奥深くに閉じ込めてしまうようになるのだそうです。 こうした行動は一時的に問題を目の前から追いやってしまうことは出来ますが、残念ながら根本的に問題を解決することは出来ません。 こうした感情を自分の中に持ち続けていると、社会で他の人と何らかの関わりを持つときに、自分自身が嫌な思いをしたくないと思ってしまったり、他の人と争ったりしたくないと思うようになってしまったりするのだそうです。その結果として、徐々に自分の感情を表に出さないようになってしまったり、自分のことを理解してくれない相手に対して、自分の方法を何が何でも通そうとしたりするようになってしまう傾向が出て来てしまうそうです。 アンガーマネジメントでは、こうした行動に出てしまう原因となってしまっている複雑な感情を整理したり、自分自身が置かれている状況を第三者の視線で見る力を養ったりすることをひとつの目的としているそうです。 そして、こうした方法を身に着けることで、怒りの感情が高まってしまっても、自分で自分の感情を沈めてその場に相応しい表現や問題解決を行なうことが出来るための方法を学び身に着けることが目的のプログラムになっているようです。