ビジネス1

『CHANTO』2016年1月号の「来年こそ! 仕事も家庭もクルクルまわるワーママたちの手帳術」のなかでご紹介した手帳「アクションプランナー」の発行元である「イー・ウーマン」。同社が主催する「第21回 国際女性ビジネス会議」(2016年7月18日実施)に、編集・Iが参加してきました!「国際女性ビジネス会議」と聞くと、さぞお堅い会議をイメージするかと思いますが、実際には、企業で働く女性たちがいろいろなことを感じ、考えながら仕事をしているんだなぁと、しみじみ感じられる会議であると思います。約1000人もの働く女性が1カ所に集まり、午前10時の佐々木かをり社長のスピーチに始まって夜8時まで名刺交換を兼ねたパーティまで、さまざまなテーマの会議が約10時間行われます。長いようですが、終わってみるとあっという間。話題の政治家や大企業の経営者たちの話を直接聴くことによって“日本で女性が働くとは”というビジョンが見えてくると思います。

 

簡単に振り返ってみたいと思います!

 

講演「40歳のインターン」

キャロル・フィッシュマン・コーエン氏(iRelaunch 最高経営責任者)

 

アメリカでも長期休職した人は復職しにくい――というデータがはっきり出ており、社会に出れば有能な人々を眠ったままにしておくのか?という課題があります。そこで、その課題解決にトライしているキャロル・フィッシュマン・コーエンさんの講演がありました。

 

休職した人は「元のレベルに戻れるだろうか?」という強い不安があるそうです。そこで、コーエンさんは社会人のためのインターンシッププログラムを用意。短期の社会人学習プログラムを経て、その会社と合う・合わない、をおたがいに見極め、それから就職を決めるといったプログラムを金融業界など各業界に提案しています。このプログラムにより、5年、15年と休職した女性たちが、自信をもって働くことができている、というお話でした。

 

日本でも早くこの制度が導入され、長期休職をしても自分の才能を発揮できる場所で働ける女性が増えることを、切に祈ります!

 

 

トークショー「男性リーダーがつくる新しい未来」

松本 晃氏/カルビー株式会社代表取締役社長 兼 CEO

古賀 信行氏/野村ホールディングス 取締役会長、野村証券株式会社 取締役会長

尾山 基氏/株式会社アシックス 代表取締役社長CEO

 

さて、今回の会議で、広い会場がもっとも盛り上がったのは、男性リーダーたちの「ダイバーシティ」に対しての考え方について、だったのではないでしょうか。会議の冒頭、NHK『クローズアップ現代』のキャスター・国谷裕子さんが「日本では働きたくても働けない女性が300万人いる。また、男女平等ランキングは調査対象145カ国のうち101位です。このことについて日本の男性経営者として、どう思われますか?」と切り込んでいきました! この質問に男性経営者たちがどう答えたか、簡単に説明します。

 松本 晃氏「まず今ある既得権の剥奪をしなければ前には進まないでしょう。カルビーでは、既得権の剥奪に対して抵抗する者には“進んでいない会社はまだたくさんある。そういった会社に転職してください”と私は話しています。ダイバーシティは力づくでやるしかない、なまやさしいものではないんです。もちろん結果に対して責任をもつのは私です」

 尾山 基氏「私は上海の現地法人から戻ってきたばかりなのですが、上海の女性スタッフたちを見て、女性管理職を増やそうと思っていたところです。先ほどまで女性管理職の割合を20%と考えていましたが、今日、目標値を33.3%に増やそうと決意しました」

 古賀 信行氏「金融業界はまだまだ男性主導で行うシーンが多いのですが、今日、来場されている、たくさんの働く女性たちの視線を受け・・・。慎重に進めながらも、女性の管理職を増やしていかなければ、と感じているところです」

 

それぞれの業界の歴史と男女比などの違いから、一概には言えませんが、松本 晃氏の「日本の女性既婚者は、仕事をしていても食事をつくらなければいけません。また、日本は“家事は女性がメインに行い、男性はサブ的役割をする”ことが当然とされています。この環境と常識をどうするか――が、われわれが前に進むにあたっての大きなテーマだと思います」との発言から、男性リーダーたちの働く女性への大きな期待が感じられました。

 

すべての日本企業にダイバーシティを望むのは難しいことですが、男女平等ランキング、まずは世界50位以内を目指してほしいところです。

 

このあともいくつか注目する会議が続きましたが、今回の記事はここまで!

 

来年も参加し、もっと詳しくレポートできたら!と思っております。

 

(CHANTO編集・I)