冬至(12月22日ごろ)
太陽の位置が1年で最も低くなる日が「冬至」です。つまり、1年で最も日が短い日のことです。2019年の冬至は12月22日です(毎年変動します)。
Q:冬至を境に運気が上がる?
昔から冬至は「太陽が生まれ変わる日」とされ、冬至を過ぎると太陽の力が蘇ると考えられてきました。太陽は生きる上で欠かせないものなので、太陽の力が蘇る日は生きる力も回復する日、つまり冬至を境に運が向いてくると考えられてきたのです。陰が極まり再び陽にかえることを「一陽来復」といいます。
Q:ゆず湯に入れる柚子は輪切りなどカットしたものでもいい?
ゆず湯に入れる柚子は丸ごとでも、輪切りや半分にカットしたものでも構いません。
昔から冬至にはゆず湯に入る風習があります。これは運を呼び込む前に厄祓いするための禊(みそぎ)だと考えられています。昔は毎日のように入浴しませんから、一陽来復のために柚子の香りで邪気を払い、身を清めるという意味があったのです。また、ゆずは「融通」、冬至は「湯治」に通じます。
ゆず湯に入ると病気をせず、元気に冬を乗り越えられるといわれています。「一陽来復」と唱えながら入るとさらによいとされています。
いかがでしたか?すべての行事にはこんな奥深い意味があったのです。単なるイベントとしてではなく、行事の意味を知ったうえで文化に親しんでみてください。
1月は家族で睦まじく過ごす月なので「睦月」といいます。年神様に感謝しながら、良いお正月をお過ごしください!
監修プロフィール/三浦康子(みうらやすこ)
和文化研究家、ライフコーディネーター。古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、WEB、講演などで提案しており、「行事育」提唱者としても知られている。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭もとっている。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』ほか多数。http://wa-bunka.com/
取材・文/田川志乃 イラスト/クリハラタカシ