年代
ワインのエチケットでは、「年代」も主張の強い情報のひとつです。ブドウの収穫年を指す年代は、古いほど価値があるように思いがちですが…。 「年代が古いほどがおいしい、ということではありません。確かに、古いワインには、若いワインにはない土や枯葉やキノコの香りなどのニュアンスが出てくる場合が多く、そういった香りを好む方もいます。一方で、フレッシュな果実の香りは失われる場合が多いので、これは各々の好みとも言えるでしょう」 「バックヴィンテージ」と呼ばれるワインは保管コストとその希少価値のため、比較的価格が高くなります。ですが、決してそれが“おいしい”ということに繋がるわけではなく、あくまで味の好みの問題。 「ヴィンテージものはなかなか手に入れ難い価格のものも多いですが、管理が難しいのでギフトとしては避けられたほうがいいかもしれません。お祝いの席などで奮発し、味わいの違いを試してみるのはありかもしれませんね」
ボトルの形
エチケットの情報のほかに、目でみえる情報として“ワインの瓶の形”があります。 「ワインの形は、大きく分けて2種類。肩の部分がなめらかな線を描くもの(写真右のようなもの)は、ブルゴーニュスタイルのワインで多く用いられています。一方で、肩の部分がいかり肩のもの(写真中・左のようなもの)は、ボルドースタイルのワインで多く用いられています」 ブルゴーニュスタイルとは、フランスのブルゴーニュ地方で造られたやわらかい味わいが特徴のワイン。ボルドースタイルとは、フランスのボルドー地方で造られた渋みのある味わいが特徴のワイン。 「渋みのあるワインには、ワインの中に黒い塊のような“オリ”が出ることが多く、グラスに注ぐときにオリが入らないように、いかり肩のボトルが採用されていることが多いです」
コルクかスクリューか
高価なワインにはコルクキャップが使用されていることが多いですが、どのような違いがあるのでしょう。 「“スクリューキャップが安価なワイン”というのは、あくまでイメージです。逆にスクリューキャップは雑菌が繁殖しづらく、コルクが原因となる品質劣化の心配もありません。」 現に、ニュージーランド産のものは9割ほどがスクリューキャップを使用するようになってきています。 「ただコルクキャップは、ワインを熟成させるのには向いています。コルクには小さな穴が開いていて、ワインが呼吸をすることで酸化し、熟成させているのです。」