【この記事は、CHANTOママライターによるウェブ限定記事です】
ライター名:島村怜
仕事も育児も頑張りたいと願っていても、保育園に預けるときに「ママ行かないで」なんて泣かれた日には、仕事に罪悪感を抱いてしまうこともあるのではないでしょうか?そんなときにオススメしたいのが、今回ご紹介する「キッザニア」です。
キッザニアは、日本国内には「東京」と「甲子園」の2箇所あり、HPによれば「楽しみながら社会のしくみを学ぶことができる“こどもが主役の街”」とのこと。簡単に言えば仕事体験できる施設で、90種類以上の仕事やサービスが体験できるそう。早いもので2006年に日本初のキッザニアが東京の豊洲にオープンし、今年が10周年。私自身知ってはいたものの、対象年齢が3歳~15歳のキッザニアは、未婚時代や子どもが小さいうちは未知の世界だったのですが、今回、我が子が対象年齢の3歳に達したことと、「パイロットになりたい」と言い出したことをきっかけに、「キッザニア東京」にデビューしてきました。そこで体験したことが、子どもの成長にとってはもちろん、ワーママと子どもの関係にもとても良い成果があったので、オススメお出かけスポットとして、みなさんにご紹介したいと思います。
「ママと一緒が良い!」と泣かれ
まさかのひとつも体験できない危機に?!
キッザニアには9時~15時の第1部と、16時~21時の第2部があり、今回行ったのは第2部。入口には飛行機が待ち構え、そこでチェックインすれば、いざキッザニアへ入国です。
最初に行ったのは、息子の希望通り「パイロット」の仕事。運良くすぐに入れるということで「行っておいでー」と受付をしようとしたら、まさかのまさか…。「ママと一緒が良い!」と大ぐずり。最近、公園でも習い事のプールでも母子分離は上手くいっていたはずなのに、昼寝直後の寝起きだったこともあり、甘えのスイッチが最悪なオンに。色々な言い方で気分を乗せようとしても全く上手くいかず、「ママも一緒に来て~」の一点張り。「せっかく来たのに、これじゃ何もできないじゃない!」と、諦めモードの私に、スタッフの方がアドバイスしてくださったのは、「一度、お母様のお顔が見えるお仕事を体験されて、慣れてからお戻りになられてはいかかがですか?」ということ。パイロットの仕事は完全に親が見えない機内に入るため、初めての仕事にしてはハードルが高かったよう。幸い、その日は月曜日で空いていたのもあり、パイロットは後に回して、ガラス張りから子どもを見守れるお仕事を探すことにしました。
アルバイトで成功体験!
子どもの「自信」の大切を学ぶ
街を歩くと、ヤマト運輸の車に遭遇。息子が「宅急便だ!」と言ったのをチャンスと、「宅急便屋さんになってみる?」と聞いたら「うん」という答えが。さっそくやってみようと、スタッフの方と息子を乗りに乗せ、制服を着せて帽子をかぶせて「似合う似合うー!」と大盛り上がり。しかし大人のテンションとは反比例に、息子はどんどん固くなり…、私の手をひっぱり力は強くなるばかり。「ママと一緒が良い!」とまだグズり、ドアもないオープンな小部屋にさえ入ろうとしない姿は、ここまでできない子だったっけ?!と、ある意味ショックでした。そうこうしている間にお仕事のスタート時間になってしまい、息子は参加を断念することに。
そこでまたスタッフの方がアドバイス。「アルバイトならお母様とご一緒にできますよ」と。アルバイトは制服が着られないことや給料が安いなどはあるようですが、初回はまだ制服が着られないことよりママと一緒が重要だと、「ぜひ、やらせてください!」とアルバイトをすることに。任されたのは2通の手紙を届けること。青い封筒はJCBに、茶色い封筒はDocomoにと、地図を渡されました。アルバイトといえど立派な仕事。まずはご挨拶の練習からスタートしました。「こんばんは!宅急便です!お手紙を届けに来ました!」。消え入るような声しか出ない息子を私とスタッフの方がフォローし、そして私と息子は手をつなぎ、地図と封筒を持って配達へ出発したのでした。
まずはJCBを探し当てた私たち。「青だっけ?茶色だっけ?」なんて記憶が曖昧になりそうだった私と違い、「青だよ」と息子。さっきまでグズっていたとは思えない、しっかり説明を聞き記憶していた息子に、私がびっくりしてしまいました。そして、息子と練習したご挨拶をJCBの方にして、指示された郵便受けに手紙を投函。同じようにしてDocomoにもお届けしたあとは、ヤマトへ戻りお仕事完了!!スタッフの方もとっても喜んでくださり、ここで息子が照れ笑い。「次は制服着てお仕事してみようか?」と聞くと、「うん!」と元気よくお返事が返ってきました。たった2通の手紙を届けるだけのことでしたが、その「成功体験」は、見事に大きな自信を与えてくれたのです。
宅急便のお仕事は、お荷物の運び方や伝票のもらい方を学んだあと、実際に宅急便の車に乗ってお届けへ。それがとっても楽しかったようで、それからはとってもスムーズ。宅急便の次は、お目当てのパイロットに戻り18時の予約をし、それまでの間は消防士にもチャレンジしました。消防士の仕事が始まるまで15分くらい時間があったのですが、その待機場所にひとりで座っていることもでき、私も見える場所にいたとは言え、その姿は最初のグズグズからは想像できないほどでした。宅急便、消防士、パイロットと、乗り物に乗れる系を続け、ステップアップしたのも良かったかもしれません。また、消防士では年上のお友達にも引っ張られる形でお仕事が出来たのもプラスでした。最後のパイロットでは、元気よくコックピットに続く階段を登って行き、終わったあとも「ママー!」と笑顔で走ってきて、この2時間ちょっとの間の成長に本当に驚かされたのでした。
今回友人親子と一緒に行ったのですが、友人の子供はまだ2歳で仕事体験はせず、基本的に息子はひとりで参加。一緒に体験できる友達がいたらグズらなかったかもしれませんが、結果的にひとりで出来たからこそ、より大きな成長を手にしたのだと思います。最初、キッザニアは単なるアミューズメントパークと思っていましたが、子供にとっての「成功体験」がこんなにも重要で、こんなにも子どもを変えるものなのだということを、親が学ぶ経験となりました。
「仕事」をしたことで
ママの「仕事」も理解した?
専業主婦の母に育てられた私にとって、母親というのはいつも一緒にいてくれた存在。だから今、息子が「ママが仕事に行く」ということをどう感じているかは正直わかりません。もしかしたら当たり前に思っているかもしれませんが、それでも遊んで欲しいとき、一緒にいて欲しい時に「仕事だから」と手を離されるのは寂しいはずです。それが、今回「仕事」を体験することで、仕事に対する責任感や楽しさもちょっと理解できたのは、キッザニアのもうひとつの利点でした。まだ3歳なので、もちろん親のエゴと過大評価もあるかもしれませんが、ワーママにとってママの仕事を子どもに理解してもらえるのは大切なことではないでしょうか。なので、今回キッザニアに行って良かったですし、また行きたいなと思いました。
今回の記事では触れませんでしたが、キッザニアは初めて行くとわかりづらいことも多くあるので、初めて行くときには、行ったことがあるご友人と行くことをオススメします。入場の仕方や仕事の予約システム、アルバイトの仕組み、写真の購入方法など、もちろん聞けば親切に教えていただけますが、我が子は3歳でまだ自分ではなかなか質問もできないので、親が事前に理解している必要があります。また、5歳からできる仕事が多く、3歳からできる仕事は地図を見てもわからないので、こちらも事前にHPでチェックしておくことをオススメします。たまたま今回私が一緒に行った友人は豊洲在住で、朝に事前受付をしてくれたので、第2部の入場もスムーズでしたし、「子どもの年齢確認のために保険証が必要だった!」と教えてくれ、うっかり忘れも防げました。
ちなみにアルバイトは館内に「アルバイトアクティビティ情報」があり、情報を入手できますし、ビギナー向けにガイドさんとまわるツアーもあります。銀行で口座を開けばお財布ももらえるので、手にした給料やジョブカードも入れることができます。
キッザニア自体の料金は若干高めな気もしますが、早割や短時間プランなどもあるようなので、HPをチェックして、まずはお手軽プランで行くと良いかもしれません。息子のキッザニア制限年齢の15歳まであと12年!たくさん職業体験して、色々な可能性を見つけて欲しいと思います。個人的には次はピザ作りやアイス屋さんなど、食べ物系にもチャレンジしたいなと。みなさんもぜひ一度体験してみてください。