今やずいぶんと安価に食べられるようになった寿司。大手の回転寿司チェーンでは頻繁に1貫100円セールなどを打ち出し、お店には制服を着た学生たちの姿も見かけます。なぜここまで安く提供できるのか、その裏には“代用魚”などの活躍がありました。

 

回転寿司店で提供される“えんがわ”の秘密


 

今年8月に放送された『ソノサキ ~知りたい見たいを大追跡!~』(テレビ朝日系)では、独特のコリコリとした食感が人気の“えんがわ”について特集。回転寿司で提供されるえんがわの秘密を教えてくれました。

 

そもそもえんがわといえば、一般的に“ヒラメ”のつけ根部分にある筋肉を指します。名前の由来は身の部分とヒレの間にある細い筋肉の筋が、日本家屋にある縁側の板の並びに似ているから。

 

しかし最近多くの回転寿司店では、えんがわにヒラメが使われていないそう。えんがわは取れる量も少なく、ヒラメ1匹あたり寿司4貫にしかなりません。そのため安さが売りの回転寿司店では、高価なヒラメの使用が不可能。新宿歌舞伎町にある人気店「桜すし」の大将・高橋一郎さんは、えんがわの代わりに“オヒョウ”という魚を使っていると明かしてくれました。

 

オヒョウは北海道以北、大西洋、ベーリング海といった世界の冷たい海に生息するヒラメと同じカレイ目の魚。大きいものでは体長2mを超える巨大魚で、サイズ以外は形も味もヒラメにソックリです。たくさん獲れるカナダでは、競技フィッシングも行われるほどメジャーな魚なんだとか。

 

ちなみに番組では、身の部分はどうしているかも調べていました。ほとんどの回転寿司店ではえんがわ部分のみに加工されたものを仕入れているので、少なくとも日本ではあまり食べられていないよう。そこで本場カナダの人に聞いてみると、オヒョウは主に祝いの席で食す高級魚だといいます。逆にカナダでは今までえんがわ部分が捨てられていましたが、そこに日本の水産加工業者が注目。日本に持ち込んだところ見事に人気の獲得に成功したようです。