かつて「シンプルな暮らし」といえば、手間隙かけたスローライフという意味合いが強かったように思います。 それがしだいに、今の自分意必要のない行動、古い価値観を手ばなして、他人の評価に左右されずに生きる…といったニュアンスをまとうようになって、私たち働くママのあいだにも、その考えが広まってきました。
そんな「シンプルな暮らし」って、やっぱりいいものなの? 広告代理店に勤務するかたわら、シンプルライフ研究家としても活動するマキさんに聞いてきました。
物を捨てたら部屋が片づくだけじゃない
そもそも、マキさんが「シンプルな暮らし」に取り組み始めたのはいつ頃のことなんですか?
次女を妊娠したときです。 長女の育休が終わって、復職した当初はむしろ「家事も育児も手を抜かない」というのが目標だったんです。 でも仕事と育児を同時にこなすのが初めてだから、すごい手探りというか。 つねに綱渡り。本当に、綱一本で渡っている感覚だったんです。 で、2人目を妊娠したときに、いよいよこれはやばいぞと。どうしたら暮らしを効率化できるのか、削ぎ落とせる部分はどこなのか、考えるようになりました。
今振り返ればですが、なにもかも頑張らなきゃっていうのも、理想の母親像に縛られていただけだったんですよね。 母としてのあるべき姿みたいな固定観念と自分のギャップに悩んでいるくらいなら、目の前の家族と笑顔で暮らしたいとも思ったので。暮らしを整えようと。