これまで動物園の歩き方や動物特有の行動についてお伝えしました。ここからは実際に動物園に行って動物を見る時、どんなところに着目したらいいか、動物ごとにそのポイントをご紹介します。これを知っているだけで動物の見方が変わり、動物園を何倍も楽しめるはずです。
動物たちの、進化したはずがなぜかざんねんな感じになっているところや、イメージとちょっと違って笑っちゃうところなど、親子で楽しみながら観察してみてください!
特集INDEX
第1回 『ざんねんないきもの事典』監修者の「親子で動物園を100倍楽しむ方法」
第2回 ゾウは大きな耳を使っていない!?草食動物の面白い観察法
動物の面白い観察法
〜雑食動物編〜
肉も野菜も何でも食べる雑食動物。私たち人間ももちろん雑食動物です。人間に近いサルやゴリラ、人気者のパンダなど、私たちにとっても身近な存在ですが、知っているようで知らない意外な特徴があるんです。
『パンダの健気な進化?第6の指が出てきた!』
昨年6月、上野動物園でシャンシャンが誕生したことで話題にもなりましたが、パンダは多くの人を魅了し続ける、大人気の動物です。笹を一生懸命食べている姿がなんとも健気でかわいいですよね。 今泉先生のインタビュー記事でもお伝えしたように、パンダは肉が大好きなのに自力で捕ることができないので(笑)、笹を食べるようになったと考えられています。そのため、竹を持つために手の構造が進化したのです。 もともとパンダは5本指ですが、5本は別々には動かないのでそれだけでは竹をうまく掴めません。そこで人間の親指の位置に「種子骨」という骨が出っ張ってきて、親指みたいな働きをするようになったのです。つまり「第6の指」ができたというわけです。パンダを見るときは双眼鏡で手をよく見てみてください! でもあんなに一生懸命食べているのに、笹の葉には残念ながらほとんど栄養がありません。そこでたくさん食べるために、噛んでいる間にまた次の笹を食べるというように効率よく栄養をとろうと頑張っているのです。