嫁姑問題や子育てや女性の生き方についてのつぶやきが共感を呼び、Twitterのフォロワーが約10万人というミゾイキクコさん(84)。インタビューの前編では「実家への帰省」というテーマでお話を伺いました。後編では、「仕事や家事、子育てに手を抜かず頑張りすぎてしまう女性たち」に向けてメッセージをいただきました。

 

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ミゾイキクコさん
1934年生まれ。埼玉県出身。お茶の水女子大学理学部を卒業後、教職に就き、26歳から専業主婦に。2010年1月28日にTwitterを開始し、70年前から現在までの人々の価値観の変遷や、戦争中の経験、敗戦後の暮らし、高齢者問題などについてつぶやく。2018年8月現在でフォロワーは9万4000人超。

「家事や子育てはどんどん合理化しよう」

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——未婚や既婚を問わず、働く女性は仕事や家事で忙しい人が多いと思うんですが、「両立しなければ」と思って苦しくなっている女性が多い印象です。大変だったら外食したり、家事を外注したりしてもいいと思うんですが、「楽になること」に対して罪悪感を持ってしまうというか…。

 

ミゾイ:罪悪感も持つ必要はないの。きっと親や姑、舅がそういう考えだから罪悪感を感じてしまっていると思うんですが、それは「自分が正しくて向こうが古いから仕方ない」と思っていればいいのよ。

 

——そうなんですね。

 

ミゾイ:だいたい「楽」って考えなければいいの。合理的って言い換えればいいじゃない。今は90歳や100歳まで生きると言われている時代なんだから、若いうちは貯蓄しなきゃ大変でしょ。仕事に精力をつぎ込まないといけないわけだから、年寄りの面倒なんて見ちゃいられないのよね。だから、家事や子育てを合理化することに罪悪感を持つ必要はないです。罪悪でもなんでもないんだから。

 

介護だって、「年寄りは年寄りで生きていってください」でいいわけよ。若いときから子どもをあてにして、年を取ったら面倒を見てもらって当然と考える高齢者も少なくないから若い人も大変だと思います。

 

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——若い世代もそう思っていますよね。「両親も義理の両親の面倒を見なければいけない、家族なんだから」と。

 

ミゾイ:若い人も頭を働かせて考えないといけないのよね。義理の両親まで面倒見るいわれはないのよ。

子供を保育園に預けるのは可哀想?

——料理やお弁当を手作りしないといけないと考えている女性も多いです。

 

ミゾイ:無理して作らなくてもいいじゃない。昔とは状況が違うんだから、今の日本の状況に合わせないといけないのよね。

 

——そうですね。子育てでも、保育園が不足しているという状況がある一方で、いまだに「保育園に預けてまで働くのは子供が可哀想」と言われることもあります。

 

ミゾイ:そういう人いるわよね。だって、事情が許さないなら仕方ないでしょ。子供が自立して生きていけるようにするのが親の務めで、それをするためには働かなきゃいけないんだからね。

 

今のお年寄りは専業主婦が多いから、自分がやってきたからそう思うのかもしれないわね。でも事情が違うんだからそんな人たちの意見は無視していいと思います。

 

「小うるさい人の意見は無視していい」

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——お年寄り、というよりは世間の話になるんですが「電車や公共の場所で子供が泣くのがうるさい」、子供がいなかったらいなかったで「少子化なのに産まないとは何事だ」と言われることがあります。子供を産んでも産まなくても文句を言われるってひどい状況だと思うんですが……。

 

ミゾイ:ツイッターでもそうなんですが、そういうことを言っている人は「小うるさくてダメな人なんだ」って思えばいいんです。そういう人はいつも何かに対して文句を言っているんだから、小うるさい人を基準にものを考えることはないのよ。

 

だって、まともな人は何も言わないでしょ? だから変な人の声だけが響いちゃって、「みんながそう思っている」と思ってしまうんだけれど、そんなことは全然ないんですよ。

 

 

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——ミゾイさんにそういうふうに言われると安心します。ステキなお話をありがとうございました!

 

ライター:森鷹ユキ

記者・エディター。1982年生まれ。エンタメ系ニュースサイトで5年間記者を務めたのち、女性向けニュースサイトで編集者として勤務。主に女性の働き方、生き方の取材やインタビューを担当し、現在はフリーとしても活動。