年会費“永年”無料が、突然有料となる落とし穴
死蔵カードが増えると、使用していないがゆえに管理が行き届きません。頻繁に利用するクレジットカードと違ってぞんざいに扱い、履歴を確認する意識も希薄になります。 「そのため、カード情報が漏えいするリスクは高い。知らぬ間に不正利用され、ある日、高額な請求が来てビックリなんてことにも十分起こりえます」
管理が行き届かないことによる意外な落とし穴も。カード会社のサービスの“改悪”に気づかないケースです。 「クレジットカードの年会費無料は、カード会社によって『永久無料』を謳うものと、『永年無料』を謳うものに分かれます。その違いが何かわかりますか? 永久無料の永久=限りなく続くという意味なので、年会費無料に期限はなく、有料にならないと言い切れます。一方、永年無料の永年=長い年月という意味なので、年会費は長い間無料なだけ。つまり、将来的に有料になる可能性があるのです。年会費無料だからと安心している死蔵カードが年会費“永年無料”の場合、サービスの改悪によって突如、有料になる可能性もあるため、それに気づかず年会費をとられることも予想されます」
実際、年会費永年無料だったカードが、のちに有料となった一枚が「SBIレギュラーカード」。2015年9月以前は年会費永年無料でしたが、同年10月1日から年会費初年度無料、2年目以降は900円(年間10万円以上の利用で2年目以降も無料)に改悪されました。ちなみに同カードは2018年1月31日末ですべてのサービスを終了しています。
個人信用情報機関を活用してカードリストラを
新規のクレジットカード審査が通りづらかったり、不正利用などのリスクを回避したいなら、死蔵カードは持つべきではないでしょう。とはいえ、クレジットカードが増えて管理しきれず、どれが死蔵カードなのかわからない…という人も多いはず。何か良い手立てはないでしょうか?
「前述した個人信用情報機関のCICにアクセスし、自身の所有するカードの利用状況をチェックしてみることをおおススメします。CICでは本人に限り信用情報の開示請求が可能。費用は1000円です。信用情報を見るとカードの利用状況が一目瞭然でわかるので、利用していなかったり、利用頻度が低いカードを死蔵カードと見なし、リストラ候補とすればいいでしょう」
死蔵カードをリストラする際にも注意点があります。使用しないカードにハサミを入れて、ゴミ箱へ――。これで安心というのは大きな誤解。 「解約しない限り、カードの契約は続きます。ハサミで切ってもカード番号がわかれば不正使用の危険も伴います。リストラするなら、解約の手続きを実行してください」
クレジットカードを必要最低限の枚数で十分機能します。むしろ使い勝手のいい少数精鋭のカードに絞ったほうがポイントは貯まりやすく、さまざまなサービスも享受しやすくなります。一度、手持ちのカードを整理してみては?
教えてくれたのは 菊地崇仁さん クレジットカードやポイントの専門家として、テレビや雑誌、セミナー講師としても活躍中。All About「ポイント・マイル」のガイド。ポイント交換案内サービス「ポイ探」を運営する。 ポイ探検http://www.poitan.net/