収入や生活環境によって、家ごとに異なる「金銭感覚」。普段はお互い気にしていなくても、ふとしたときに露呈する…その舞台が「ママ友ランチ」なのです。ママたちがランチで感じた、「金銭感覚の埋められない溝」の物語です。
足並み揃えなきゃならないのはツラい…(さなさん/40歳/看護師)
高校時代の友人と久しぶりにランチ! とても楽しみにしていたんです。
待ち合わせは、みんなのアクセスがいい「池袋」。オフィス街ということもあり、ランチ営業のお店も豊富。「少し早めの時間に行って良さそうなお店に入ろう」と話していて、感じのよいイタリアンに入ることにしました。
「本日のパスタ」は
1,100円。プラス
300円でドリンク付、プラス
400円で数種類から選べるサラダ付にできるということで、「食後にコーヒーと…どのサラダにしようかな~」「いや! 単品のパスタなら
1,800円のウニクリーム…むむむ…こちらも捨てがたい。これにしようかな…」なんて悩んでいたんです。
そして、店員さんがオーダーを取りに来ました。専業主婦の
Aちゃんが「私、本日のパスタで」と言ったのに続いて、パート勤務の
Bちゃんも「私もそれで」とのこと。なんだか、ウニクリームとは言い出せず、「私も、それをお願いします」と続けました。
「セットのドリンクやサラダはどうなさいますか?」と聞かれたので、とコーヒーをオーダーしようと「コー…」と言いかけると、
Aちゃんの声がかぶるように「あ、大丈夫です」と。そして「私も、お水で大丈夫です」と笑顔を向ける
Bちゃん。結局、私も言い出せずじまいで、「パスタ単品」を食べることになりました。
まわりを見ると単品は私たちだけ。話が盛り上がって楽しかったものの、食後はお冷や片手に
30分…水を注ぎに来る店員さんの視線が、ひどく痛かったです。