shutterstock_506282107

0歳代から1歳にかけての赤ちゃんの離乳食は、つぶしたり細かく刻んだりしていましたが、2歳頃になると、歯もしっかりと生え揃い、ほとんどのものは自分で噛んで食べられるようになります。 でも、完全に大人と同じメニュー・献立にするにはちょっと早い感じですよね。 今回は、そんな過渡期にある2歳の子向けで、できるだけ家族と共通の食材や調理方法で作れる「幼児食」について、おすすめの献立・量・味つけのポイントなどを解説します。

 

ワーママたちが知りたい、2歳児の幼児食についての疑問


まずは、2歳のお子さんがいるママたちに、毎日の食事で疑問に思っていることや困っていることを独自アンケートにて質問してみました。

 

「保育園では、2歳の子が食べやすいよう、心を込めて給食を作ってくれています。とても感謝してます…でも、家で同じ献立を用意するのはムリ!だって大人のメニューも作らなくちゃだし、仕事が終わってお迎えに行き、家に着いてから料理する時間は限りなく足りない状態です。でも、できるだけ栄養は偏らないようにしてあげたいので、大人メニューに少しだけ手を加えて幼児食も作れる献立や、おかずの組み合わせなどが知りたいです」(Oさん・34歳・2歳の男の子のママ)

 

「ごはんはもちろん、よっぽど固い物以外なら、ほとんどの食材を自分で噛んで食べられるようになってきました。食べやすい大きさに切るなどの工夫はしていますが、気になっているのは味つけです。離乳食のころは、味つけする前に取り分けて薄味に仕上げていたのですが、最近は大人と同じ固さで食べられるものは別々に味つけせず、一緒に食べるようになってきました。あまり小さいうちから濃い味に慣れてほしくないので、大人が薄味に合わせようと思うのですが、パパは仕事で疲れていることもあり、薄味だとおいしく感じられないようで…子どもと大人、同じ味の濃さでもOKなの?」(Mさん・29歳・2歳の女の子のママ)

 

「本当は一食にたくさんの食材を使ってあげたいのですが、なかなか手の込んだものを作る時間がなく…また、食べたことのないものに抵抗感があるみたいで、大人のおかずから取り分けてもイヤイヤして口に入れないこともよくあります。結局、離乳食期から食べ慣れている、うどんやおにぎりばかり続いてしまい、なかなかメニューの幅が広がりません。うどんだと一玉以上ペロッと食べてしまうこともあり、量が多過ぎたりしないかな…?とちょっと心配になることがあります。」

 

働くママにとっては、食事の支度は時間との戦い。調理の手間はできるだけ少なくしたいけれど、子どもの健康は気遣ってあげたいというのが共通のジレンマのようです。

 

2歳児の幼児食、量や味つけのポイントは?


厚生労働省による、1~2歳児のエネルギー摂取量の目安は、男の子で950kcal、女の子で900kcal。そのうち、主食として炭水化物を1日に200g、体を作るもととなるたんぱく質を60g、体の調子を整える野菜類を180gという基準で、月齢・体格・活動量に応じて調整するのが良いといわれています。

 

ただ、2歳児は、成長発達のペースや食べる量などの個人差がかなり大きいといわれています。さらに、与えられるままだった1歳頃までと異なり、自分と外の世界の区別ができ、その子の個性や好みを形成する過程に入ります。 そのため、同じ食材でも昨日は平気だったのに今日は嫌がる・味は大丈夫なのに見た目や切り方が違うと食べない、といったこともよく起こります。

 

ママは体調が悪いのかな?と心配になったり、「これなら好きだから食べてくれるよね」という思惑が外れてガッカリしたり、大変な時期でもありますが、多くの子が通り過ぎる段階だと思って、多少の食べムラは神経質にならず流すようにするといいですね。

 

shutterstock_1061175683

 

味つけについては、大人と同じでも食べてくれる子がほとんどですが、もともと薄味の好きなパパ・ママならともかく、一般的に大人がおいしいと感じる塩分濃度が0.8%~0.9%なのに対し、幼児ににちょうど良いとされる塩分濃度は0.6~0.7%です。

 

小さいうちから濃い味に慣れてしまわないためにも、あとしばらくは薄目の味付けに整えてあげることを続けた方がよさそうですね。

 

離乳食でもよく使われるテクニックですが、ていねいに「出汁(だし)」を取ってキューブ状に凍らせておき、大人用の煮物や汁物に1個加えると、熱いものもほどよく温度が下がり、旨味を減らすことなく薄味にできておすすめですよ。

 

大人のメニューと別に作らずに済むおすすめ献立は?


最後に、先輩ママに聞いた、「時間がない!」という時のお助けメニューをいくつか紹介します。材料と途中までの作り方が同じなら、ずいぶん助かりますよね。

 

「お好み焼き」→大人は通常どおり、子ども用には、具材を少し細かく切って食べやすくし、ソースなどの調味料は控えめに仕上げます。子どものタネにだけ豆腐を少し加えると、ふんわり焼きあがるのでおススメです。小さいサイズで焼けば、見た目もかわいくて食が進みそうですね。

 

「サンドイッチ」→大人と同じ作り方だと、中の具がこぼれてしまい、2歳の子には食べにくい可能性も。パンの中央に切込みを入れ、ポケットサンドにすると食べやすくなります。

 

「親子丼」→どんぶりものは、時間がない時の強い味方。子ども用には、玉ねぎや鶏肉を一口大にするなど、切り方を変えるだけで準備できるので助かりますね。味付けは大人と同じでは甘辛すぎるので、ダシをきかせて薄めに仕上げます。大人用には三つ葉や山椒などで風味を添えて。

 

まとめ


離乳食と比べ、幼児食は、同じ2歳でも食べられる食材や調理法にはずいぶん幅があります。また同じ月齢でも食べる量や好みの個人差が大きいので、基本はおさえつつ、保育園での様子なども参考にしながら、その子に合わせて臨機応変に勧めていけるといいですね。

 

文/高谷みえこ