新基準は還元率+「使い勝手」「付帯サービス」
なぜ、このような改悪が増えているのか。菊地さんはその理由をこう分析します。 「ユーザーはポイント獲得のために高還元率カードを持ち、賢く使いこなせるようになっています。たとえば誕生月がポイント5倍なら、その月にあわせて大量に買い物するなどするわけです。そういった行動がカードを発行する企業の経営を圧迫し、高還元率を維持できなくなったのだと思います」
一般的なポイント還元率は0.5%。高還元率は1%以上と言われています。かつては2%や1.75%といった高還元率カードがあり、お得なものがひと目でわかりました。しかし、改悪が増えたいまは突出したものが少なくっているそうです。
「ポイント還元率だけではカード選びが難しいということ。1%の還元率を基本とし、その他の要素を加味してセレクトすべきでしょう」
菊地さんが挙げる還元率以外のセレクト要素は以下2つ。
①使い勝手の良し悪し 「自分の日頃の消費行動に適したカードなのかどうかです。ミスマッチで使い勝手が悪かったら、いくら高還元率でもポイントは貯まっていきません。たとえば、『タカシマヤカード』は高島屋の利用で還元率8%ですが、高島屋で買い物しない人にとっては宝の持ち腐れに。自分のライフスタイルに合致したカードを選ぶのは鉄則中の鉄則です」
②付帯サービスの充実度 「高還元率に代わり、付帯サービスに力を入れるカードが増えています。付帯サービスとは、海外旅行傷害保険やショッピング保険などの付帯保険をはじめ、割引などの各種のお得な特典のこと。その充実度を判断材料にします。ただし、付帯サービスも自分にとって使い勝手の良いものでなければ無意味となるため、きちんと見極めましょう」
「何に使っても」「どこで使っても」1%のお得カード
①と②のセレクト要素それぞれのジャンルで、おススメのカードを挙げてもらいました。
まずから。推奨するのは「Orico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)」と「P-one(ピーワン)カード<Standard>」の2枚です。
オリコカードはポイント還元率1%。100円につき1ポイントが貯まり、入会後半年間は還元率が2%にアップします。年会費永年無料。
ピーワンカードはカード利用後、請求時に自動で1%割引になります。割引の上限はなく、光熱費などの公共料金や国民年金保険料もその対象に。年会費無料。
「この2枚の魅力は、カードを利用する目的や場所に関係なく、1%のポイント還元や割引を得られます。何に使っても、どこで使っても一律に1%のお得なので使い勝手良しです」
ただし、カードを使う目的や場所がハッキリしているなら、それに応じたカードを選択するのが正解。たとえば、ネットショッピングでの決済が多く、楽天市場をよく利用するなら、楽天カードを持つということ。高還元率につながり、ポイントも貯まりやすくなります。