教育費貧乏の先には“夫婦不和”や“家計破たん”が待っている
教育費貧乏に陥り、家計のやりくりに苦しむのは一次被害。じつは派生する二次被害もあり、夫婦の不和を招くというのです。どうしてでしょうか?
「教育費が増える中で家計をやりくりするには、何かを削らなければなりません。そこで、夫の小遣いを減らすという手にでるわけです。夫は不満を抱いて腹を立てる。妻のほうも家計のやりくりでピリピリしている。ケンカになるのは必然の流れですよね。加えていえば、夫婦ケンカだけで終わらず、教育費の問題を引き金に離婚にまで発展したケースもあります」
もうひとつ、「家計の破たん」という二次被害も起こり得るそうです。 「子どもが小さなうちは教育費の負担が軽いため、家計は回りやすいでしょう。しかし中学、高校、大学となるにしたがい教育費の負担が重くのしかかってくるので、必然的に家計破たんの危険性は高まっていきます」
まずは「家計を見える化」することが第一歩
教育費貧乏の先には、夫婦の破たん、家計の破たんが待っています。これを避けるためには、知らぬ間に膨らんでいく教育費に歯止めをかけることが第一。竹下さんはその方法を最後にアドバイスします。
「まず、家計をオープンにすること。とくに夫婦別財布だとそこがブラックブックスになりがちなので、お互いに収入・支出をきちんと公開しましょう。すると月の住居費がいくら、食費がいくら、教育費がいくらなど把握でき、教育費が突出していることを夫婦で気づけます。また逆に、他の費目のムダを知って削り、教育費にあてることもできます。どちらにせよ、夫婦で定期的に見直しの機会を持つようにしてください」
次に、子どもの進路について夫婦で話し合うことも大事といいます。 「教育資金の相談を受ける際、子どもの進路イメージをお尋ねすると、夫婦でかけ離れているケースが少なくありません。『できるだけ国公立で』『私立の中高一貫校で』など、異なる意見が出てくるのです。これでは孤軍奮闘となり、教育費は増すばかりに。ですから、子どもが幼いうちに夫婦で進路の話し合いを行うことをおススメします。そこでベクトルを一致させておけば、協力を得られて家計をうまくやりくりできるのです」
教育費貧乏は誰だって避けたいはずです。そのための準備、意識改革をしっかりできるかどうかが、明暗を分けるのかもしれません。