家事を遊びに変えて子どもたちと楽しんでいます
── 小さなお子さん2人に加え、犬の面倒まで見ていると、かなり慌ただしいのではないでしょうか?
たまにパッと見たら、子どもが犬のエサに手を伸ばしてるなんてこともあって、毎日てんてこまいですよ(笑)。命にかかわるような危ないことをしたときは、「コラー!!」って怒鳴ることもあります。そう怒鳴ったあと、窓が全開だったことに気づいてハッとしたこともあります(笑)。
普段は、食事のしたくをしているときも、できるだけ子どもたちを構ってあげられるようにしています。たとえば、長男には一緒に卵を割ってもらったり、混ぜるのを手伝ってもらったり、サラダを作る時には、黄緑や赤の折り紙を渡して、それを破ったり丸めたりしてレタスやトマトに見立てて折り紙のサラダを作ってもらったり。掃除をするときも、子どもたちにも雑巾を渡して一緒に床を拭いたり、洗濯するときも、ピンチから外すのだけはやってもらったりしています。家事を遊びにかえるのがコツですね。私が家事に没頭することで、子どもたちがさみしくならないように、遊びながら食事が完成していくというのが理想です。もちろん、揚げ物をするときなど、危ないときは別のところで遊んでいてもらいますが。
家事で構ってあげられない時もありますが、そんな時には兄妹2人で遊んでいてくれるので、意外と一人の時より楽だなと感じることもあります。犬もいい遊び相手になってくれているんですよ。
── 犬を飼い始めたのは妊娠中とのことですが、それはなぜ?
子どもと犬の暮らしがテーマとしてあるんです。小さいものを労わる心を育みたいと思って、妊娠がわかってから犬を飼い始めました。犬と赤ちゃんが一緒に育つと、生まれたときは犬が子どもの守り手になり、そのあとは遊び相手に。子どもがもっと大きくなると犬が良き理解者になってくれ、そして最後は、子どもが多感な時期に、犬は自分の命をもって、命の大切さを教えてくれるというイギリスのことわざを知人から聞いたのがきっかけです。
長女が生まれたときに、上の子が赤ちゃん返りすることがなかったのは、犬の存在のおかげもあるかなと思っています。始めから家に自分以外の愛おしいものがいるということがわかっていたからだと思うんですよね。(つづく)
元TBSアナウンサー枡田絵理奈さん「ムリをすることが家事や育児の美学ではない」【後編】
では家事育児の合間のリラックス法や自分時間の過ごし方についてお聞きします。
PROFILE 枡田絵理奈
1985年東京生まれ。成城大学卒業後、2008年にTBS入社。2014年に広島東洋カープの堂林翔太選手と結婚。2児をもうける。現在は、フリーアナウンサーとして活動。
取材・文/庄司真美 撮影/谷口岳史