毎晩続く夜泣きにいつまでつき合えばいいの…!?トイレトレーニングが終わらない…!など、育児の悩みはつきません。どうしてもうまくいかない…。自分を追いつめそうになったとき、ほかの国の育児事情に目を向けてみませんか?日本ではあたりまえとされていた育児論も、意外と海外では誰も知らなかったなんてことも。視野を広げることで、気持ちがラクになるかもしれません。アメリカと日本での育児経験をもとに、ぜひ知ってほしい、海外の育児情報を定期的にお伝えします。
[第3回 液体ミルクの使い方]
長期保存可能で簡単に使える液体ミルク!
2018年の夏から日本でも製造、販売が認められる液体ミルク。ボトルに液体状のミルクが入れられており、キャップを開けるだけで赤ちゃんに飲ませることができます。欧米では既に使われていますが、そのメリットやデメリットはどういった点なのでしょうか?
アメリカの液体ミルクには、普通の味以外にも、赤ちゃんのお腹に優しいもの、アレルギーを持っている赤ちゃん向けに大豆ベースの種類のものなどさまざまなバリエーションがあります。基本的に常温での長期保存が可能。開栓後は冷蔵室に保管し、24時間以内であれば残ったものをそのまま飲ませることがきます。
液体ミルクのいちばんのメリットは、いつでも、どこでも、だれでも、すぐに飲ませられること。付属の乳首がついているものは、ボトルにその乳首をつければそのまま飲ませることもできるんです。
アメリカ在住のママによると「誰にでもすぐに飲ませられるというのが本当に便利です。家で夫が家で子どもを見ているとき、冷凍母乳と共に液体ミルクも渡していました。夫は忙しさによって、好きなほうを使っていたようです。ただ、味が駄目だったり、付属の乳首がだめで赤ちゃんがまったく飲みたがらないというのはよく聞きますね」。
味が好みでなければ違う種類を試してみるなど試行錯誤が必要なことも。これは粉ミルクと同じですね。付属の乳首がダメだった場合は、手間はかかりますが哺乳瓶に移し替え、赤ちゃんの慣れている乳首を使うのもひとつの手です。
別のデメリットとしては、価格が粉ミルクより高いこともあげられます。アメリカでの価格は、粉ミルクの約2倍。日本では粉ミルクより3割ほど高くなる見込みとも言われています。
人に預ける時や旅行中に大活躍!
では、アメリカのママたちは液体ミルクをどういうときに使っているのでしょうか?
"赤ちゃんを家族に預けるとき"という声がいちばん多く、通院などでよく赤ちゃんを預けていたというママは「パパもそうですが、両親に預ける時にミルクの濃さなど伝えなくてもいいので本当にラクです。作り慣れていないと、赤ちゃんが泣いている中で”粉ミルク何杯にお湯が何ccで…”って考えるのも大変ですから(笑)。両親も安心だったみたいです」。
また、液体ミルクは旅行の際に大活躍!
「1番助かったのは空港、飛行機などの旅行の移動時です。液体ミルクなしで旅行する、飛行機に乗るなんて考えられないくらい。日常的に使用するというより、外出時のもしもの為、飛行機の中など水、お湯のアクセスが難しい時に利用していました」というママも。
日本では授乳室が充実しているとはいえ、新幹線や飛行機などでタイミングを気にせず使用できるのは嬉しいですよね。粉ミルクや哺乳瓶を持たず、お湯や消毒のことなども気にせずに旅行できるのは魅力的です。
どんな時も衛生的にミルクを飲ませられる液体ミルクは、災害の多い日本では地震などの非常時の備えとしても期待されています。
多くのママの声が反映され、やっと解禁された液体ミルク。ママやパパの手間をうんと減らしてくれそうです。柔軟に使っていきたいですね。
取材・文/阿部祐子
参考/NHK NEWS WEB