15歳を過ぎても成長・発達はつづく
じつは「小児」の定義に、明確な年齢区分はありません。領域によっても、法律によっても変わってきます。医療の現場では、おおよそ15歳くらいまでとされますが、これは15歳を境に薬の処方量が変わるため。 中学生と高校生を境に、社会的に年齢が区切られること、地域によっては“中学生まで医療費無料”となっていることなども関係しているようです。
肝心の、小児科の受診年齢はどうなっているかを調べてみると…小児科学会のホームページには、「小児科医は、子ども達が成人するまで見守ります」との宣言が。 えっ、20歳まで小児科なの!? 早速この疑問を、学童期から思春期の子どもたちを多く診ている、慶応義塾大学病院の関口進一郎先生にぶつけてみました。 「昔は、小児科といえば中学生くらいまでというのが一般的だったんです。でも、15歳になったとたんに成長・発達が止まるわけじゃない。15歳から20歳までは“移行期(transition)”といって、小児医療から成人医療に移る途中の段階なんです。そこで生じる不調や病気を、小児科が責任をもってフォローしていこうというのが、いまの世界的な流れです」