夫婦共働きの家庭はどんどん増えています。わが家も、そしてご近所の友人家族も例外ではありません。
今や専業主婦(夫)のいるご家庭のほうが珍しいくらい…そんなご近所で、三世代同居のわが家がいつの間にか果たしていた役割とは…?
鍵を忘れて家に入れなかったMちゃん
「Mちゃんが、おうちの鍵を忘れて家に入れないと言って、うちに来ています。Mちゃんのママに連絡してあげて」
義父からそうLINEが入ったのは、私が帰宅途中の電車に乗っているときでした。
Mちゃんは近所に住む小学生。わが家の娘と年齢も近く、家族ぐるみで仲良くしています。
ご両親は共働きなのでMちゃんはいわゆる鍵っ子。しかし子どものこと、たまには登校時に鍵を家に忘れてきてしまったりするのです。
Mちゃんが家に入れなかったり、ご両親が不在のときに何か困ったことがあったら、真っ先にわが家にやってくる約束になっています。
リタイア世代の義父母、大体どちらかは家にいるので、Mちゃんはわが家で宿題をしたり、義父母にもらったおやつを食べたりして親御さんのお迎えを待つのです。義父母も、赤ちゃんの頃から成長を見守ってきたMちゃんのことを、第三の孫のように可愛がっています。
特別なことではないと思っていましたが、最近、「義父母さんのような存在は本当に有難い!!」と知人に全力で指摘され、「あれ、もしかしてこれはかなり有難いことなのでは…」と思うようになりました。
放課後、子どもに起こる数々の不測の事態
共働き家庭にとって、子どもが一人で家に入れなかったり、家で怪我をしたりといった事態はものすごく怖いものです。
そして、いくら注意していても、子どもは鍵を忘れたり、危険な遊びをしてしまったり…不測の事態を完全には防げないものです。
Mちゃん以外にもわが家には、ご近所の子どもたちがさまざまな理由でやってきたことがあります。
学校からの帰り道で鼻血が出てしまって泣きながら駆け込んできた子も、帰宅したら家に誰もいなくてドアが開かないという子も(急用で出かけたお母さんとの連絡が行き違いになって閉まっていた)、「遊んでいたら指にトゲが刺さったのでトゲ抜き貸してください」とやってきた子までいました!
そうした子どもの保護者たちからは、いつも「甘木さん家におじいちゃんおばあちゃんがいてくれて本当に助かる、どれだけ感謝してもたりない」などと、大袈裟すぎるのでは、というくらいのお礼の言葉をいただきます。
ママ友同士ではなく、おじいちゃんおばあちゃんというワンクッションある関係ということも良いのかもしれません。
もちろんわが家も一方的にお世話するだけではなく、Mちゃん宅には子ども同士で遊びに伺ったり、コロナ前は自宅飲み会に招いていただいたりと、いろいろとお世話になっています。
子どもたちの成長がちょっぴり寂しい義父母
わが家は子どもが小さい頃からずっと三世代同居なので、家にいつも大人がいるのを当たり前と思っていました。ですが、このご時世、気心の知れた大人が(ほぼ)いつもいる家、というのは、私が想像するよりずっと少ないのかもしれません。
加えて、駆け込んでくる子をいつも温かく迎えている義父母の人柄も、私が思うよりずっと有難いものなのかも。
しょっちゅうわが家に駆け込んできたご近所の子どもたちも徐々に成長し、以前ほどには姿を見なくなりました。
義父母もなんとなく寂しい気持ちらしく、地域の子ども110番の家に登録しましょうか…という話も出ています。
いくつになっても、子どもたちに頼ってもらえるのは嬉しい様子の義父母でした。