「スキルアップのために時間を使いたい」「積読になっている本を読みたい」と思っても、働いていたらなかなか時間が取れないと思うこと、ありませんか?「やりたいことがあるときは朝の時間を活用するといいですよ」とは、時間管理の専門家、石川和男さん。なぜ朝がいいの?早起きが苦手な人はどうしたらいい? 詳しく聞いてみました。
やるべきことは夜ではなく「朝時間」を使うこと
「積読になっている本を読みたい」「とりためた写真の整理をしたい」などプライベートでやりたいことがあるときは、夜ではなく「朝時間」を活用しましょう。夜は、飲み会や残業で遅くなり、時間が取れないことがあります。また、そもそも疲れきっているときに勉強しても頭に入りません。
もし、本気でやりたいことがあるのなら「朝時間」を使うことです。朝は出社の準備など時間の制限があるからこそ、たった30分やるだけでもかなり集中して取り組めます。毎朝30分早く起きるだけで、1週間で3.5時間、1か月で15時間、1年間で182.5時間もの時間を有効活用できます。
その時間を使って資格習得の勉強やスキルアップに必要な知識、お金の勉強などをすれば、相当の知識がつくはずです。
目標と目的を決めないスタートは挫折の原因に
「毎朝30分早起きするぞ」と決めても、実際に続けられる人はごくわずか。
では、続く人と続かない人、なにが違うのでしょうか?それは「目的=ビジョン、目標=数値での達成を明確にしているかどうか」ということです。
たとえば、「英語資格のTOEICで900点を取りたい」と思っても、点数だけが目的だったら途中で挫折してしまう可能性が高いです。しかし、「2年後に外資系に転職したいからTOEIC900点取りたい」となったら、目的と目標が明確になりますよね。
この「目的と目標」を明確にすることで、途中でくじけそうになっても夢があるからがんばれるのです。
目標を達成するためには逆算思考で行動する
もう1つ、物事を達成するために必要なことは、期限を決めることです。
たとえば6月の時点で、「今年の12月にTOEIC900点を達成したい」という目標を設定したら、期限は約半年間になります。目標達成のため、今の実力なら1日何時間勉強したらいいか考えましょう。
仮に1日1時間だとしたら、いつもよりも1時間前に起きて、朝の時間を確保しましょう。
毎朝6時に起きるためには、夜2時まで起きていたら眠くて起きられませんよね。最高のパフォーマンスが出せないし、3日坊主で終わってしまう可能性が非常に高くなります。
そうならないためには、朝時間を確保するために、夜寝る時間も決める必要があります。
たとえば、8時間寝る人なら夜10時にはベッドに入って目を閉じる。夜10時に寝るためには、遅くても夜7時には退社する。夜7時に帰宅するためには、その時間までには確実に日々の仕事を終わらせなければいけない、となります。
このように逆算していくと、結果的に、集中してやる癖がつき仕事の生産性も高まるのです。
「資格習得のための勉強をしたい」「積読になっている本を読みたい」など、やりたいことがあるときは、朝時間を有効活用すること。「毎日ただなんとなく過ごしてしまっている」という人は、朝の時間の使い方を見直してみてください。それだけでやりたかったことが達成できるようになるのです。
PROFILE 石川和男さん
時間管理の専門家。建設会社役員として週5日フルタイムで働きながら、ビジネス書著者、講演家、税理士、出版コンサルタント、ブランディング講師税理士、大学講師など7つの仕事を掛け持ちしている。『24時間の使い方』(祥伝社)など計23冊出版
取材・文/間野由利子