カリスマ的な人気を誇ったモデル時代を経て、現在は執筆業やプロデュース業など幅広く活躍している押切もえさん。私生活では、4歳長男、0歳長女の2児の母です。

 

保育園や幼稚園など、子どもをきっかけに付き合いが始まるママ友。出産前の押切さんは「もともとの友達がママでもあったら、新しいママ友を作らなくても大丈夫なんじゃないかな…」と思っていたそう。ママになって4年、今の心境を聞きました。

ママ友は未知の世界…。出産前に聞いていたこと

「ママ友同士の付き合いって大変なときもあるよ。もともと自分と気が合って友達になったわけではないし、子どもを介しての友達だから、距離感を大切にしたほうがいいよ」

 

先輩からそんなふうに言われたことがあったので、出産前の私は、ママ友という存在に対して「どんな感じなんだろう…」と想像することがありました。

 

また、別の友人からは、「もえちゃん、私なんかママ友さまさまだよ。私はママ友がいなかったら、育児なんてやっていけないな。たとえば、ちょっと用事があってどうしても出かけなくちゃいけないときも、“いいよ、いいよ、子どもは見ててあげるから行ってきなよ”って気やすく助けてくれるし、どれだけお世話になってるかわからないんだから」と言われたりもして。

 

すでにママになっている友人もいるから、育児のことはその友人に教えてもらえるし、積極的にママ友を作る必要はないんじゃないかなぁ。でも未知の世界だし、私は、どっちなんだろう…と出産前から、考えることがありました。

公園でものすごく助けてもらって

だけど、今ではすっかり「ママ友」のありがたさに感謝しています。

 

公園で子どもを遊ばせているときにお話ししたり、長男を通わせている幼稚園のママさんたちから親しく接していただけるのはやっぱり嬉しいですね。

 

園生活のことや、子どものあるある話などを聞かせてもらうとホッと安心します。

 

とても助けられたのは、生まれたばかりの娘を連れて、息子のお友達と公園で遊んだとき。息子はみんなと一緒に遊べるのがうれしくて、はしゃぎながら大きな池のまわりを走り始めました。でも私は赤ちゃんを抱っこしていたからモタモタしてしまって追いつけなくて。焦っていたら、お友達のママが、「大丈夫よ、ここにいて」と言って息子と一緒に走ってくれたんです。

 

実はそのとき、公園へ遊びに行くこと自体、どうしようかな、と躊躇していました。誘っていただいたけれど、私は娘の世話で身体も完全に回復していない時期だったし、一人で、そして外で二人の子どもの面倒を見られるのかまだ自信がなくて…。

 

でも、上の子に楽しんでもらいたいな…と思いきって出かけたんです。

 

当時私は新生児の世話に追われて、息子に「ちょっと待っててね、ごめんね」といろいろ我慢させていたのが気がかりでした。そんな息子をさりげなくフォローしてくれて、息子もとってもうれしそうで、本当にありがたかったですね。

 

私も他のママさんの役に立てることがあれば、進んでやっていきたいなと思っています。

押切もえさん
長男を抱っこする押切さん

気軽な仲でもマナーには気をつけて

そんなふうに、お互い気軽に助け合えるのがママ友の良さだと、今は心から思えます。子どもがいなかったら知り合うことはなかったかもしれない新しい出会いのおかげで、自分の世界をすごく広げていただいたと思います。

 

ただ、保護者同士でトラブルが起きてしまった場合、子どもに影響があったらかわいそうですよね。なので、ご挨拶をきちんとするとか、マナーや礼儀には気をつけています。

 

「距離感を大切に」と言ってくれた先輩の意見も、「ママ友はありがたい存在だよ」と言ってくれた友人の意見も、どちらも「本当にそのとおりだな」と思っている、今の私です。

 

PROFILE 押切もえさん

oshikirimoe

モデル・文筆家。高校1年のときにスカウトされ、ティーン誌の読者モデルに。女性誌『CanCam』の専属モデルを経て、TV、ラジオなど、幅広く活躍。2013年には小説家デビューし、文筆活動も行う。私生活では2016年に結婚。現在2児の母。

取材・構成/相川由美